2011-01-01から1年間の記事一覧
佐藤ノートをお読みいただいてありがとうございました。 佐藤ノートはこの№45をもって終了とさせていただきます。 さて、この佐藤ノートは、そもそも自分の体験談が受験生の支えになるかもしれないと思い、発刊させていただきました。自分自身、現役、一浪、…
本を読んだほうがいいよ。 本を読みなさい。 そういうことばっかり お念仏のように言われ続け 僕たちは育ってきたし 実際そういう教育を受けてきた。 けれどその答えを教えてくれる人は あまりいなくて 強迫観念のように 僕らを襲い続ける。 僕は本が読むの…
受験生活が 全て終わって 何をしていいのか分からなくなった。自分は何をすればいいのだろうか。とりあえず やりたいことをやってみた。 昼間まで寝てみた。 本を読んでみた。 散歩をしてみた。 絵を書いてみた。 だらだらと昼寝してみた。 飽きるくらいテレ…
二浪目で初めて 第一志望校以外の大学を 後期試験とは別に 受験することになった。 いわゆる滑り止めだ。 僕の第一志望大学を希望する受験生は 余裕で受からなければならない。 偏差値の問題では そう言われる大学だった。とは言っても その大学には その大…
国公立前期試験終了後 僕は第一志望の大学を後にした。 50分ほどかけて歩いて帰った。帰った先は予備校だった。 国公立の前期試験や 私立の試験が 続々と終わりを告げ ついこの間まで活気があった自習室は まさに、もぬけのからだった。 この一年の僕の戦場…
自分の部屋にこもって 布団を深くまで被る。 今年もまたこの日がやってきた。 さすがにこの日は 毎年集中できず 勉強は手に付かない状況になる。合格発表そこに自分の番号が あるか ないか ただそれだけの出来事に それまでに泣く、発狂するといった、 自分…
二浪目の受験生活は 受験生活の中で最も淡々とした一年だった。 朝起きて、着替えて、 朝食を食べ、歯を磨き 家を出て、 バスに乗り、予備校へ。 授業を受け、お昼を食べ、 コーヒーを飲み、 その日の復習を軽くし、昼寝。 午後は自習が多く、17時にパンを食…
「どうした佐藤」高校の数学の先生が そう驚いたのも無理はない。 学年での成績が10位に入る僕が 「たかが」数学の小テストで 赤点を取って再試験の教室にいたからだ。 周りには「できない子」ばかりいた。 そこに僕がいるのは 先生からしたら変に映ったかも…
入試直前 シャープペンの芯が描く線は しばしばピタリと止まる。 今年の4月には 僕はどこかの大学生に なっているんだろうな。 志望校の大学には 入ることができているんだろうか。 どんな人と話しているんだろうか。 同じ一年の中でも 全く生活が違う自分を…
「一日目が終わった夜に もしかしたらこの子は本当に 死ぬんじゃないか、と思った」 僕の母は 僕が二浪目のセンター試験の思い出を こう語る。 センター試験は まさに大失敗だった。 他の受験生より センターに力を入れてなかったから 「ある程度」できない…
「一日目が終わった夜に もしかしたらこの子は本当に 死ぬんじゃないか、と思った」 僕の母は 僕が二浪目のセンター試験の思い出を こう語る。 センター試験は まさに大失敗だった。 他の受験生より センターに力を入れてなかったから 「ある程度」できない…
ふぅ、と息を吐く。 深呼吸で吐く息さえ震える。 ついに本番だ。 今自分が試験を目の前にしていることなど嘘のようにしか思えなかった。それでも 何もしないでそこに行ったわけではない。 学習日記を見返した。 そこに書いていることしかできないし そこに書…
ふぅ、と息を吐く。 深呼吸で吐く息さえ震える。 ついに本番だ。 今自分が試験を目の前にしていることなど 嘘のようにしか思えなかった。それでも 何もしないでそこに行ったわけではない。 学習日記を見返した。 そこに書いていることしかできないし そこに…
僕は人よりも緊張する。 環境が新しくなると すぐに腹痛を起こす。 一浪目に前期試験に向かうバスの中でも お腹が痛くなり 試験どころではなくなった。 精神面が本当に弱い。 「緊張を楽しめ」という言葉を 僕は理解できなかった。 今でも理解できていないと…
特定の宗教徒なわけではない。 かといって無宗教なわけでもない。 だから何かに対して祈る。 困ったときやどうしようもない時。 けれどその前に 自分でできることはやってから祈る。 現役や一浪目のとき 試験前になっても 今自分がどの分野ができて どの分野…
暖房が効きすぎたバスの中で 頭をぼーっとさせ 途中うとうとしながら 英語文法問題の過去問の復習をする。 ひしひしと感じるようになった センター試験のことを思うと 身震いしかしないが。センタープレの判定はまさかのD判定。 他のセンター模試でもC判定…
二浪目の時に 使っていた携帯電話の 保存メールフォルダに 宛先を入れていないメールがある。 送りたい相手のアドレスはない。そのメールは 二浪目が始まる直前の自分から 二浪目にもがいている自分と 二浪目を終えた自分に宛てたものだからだ。 「好きなこ…
話せれば 馬鹿だよね、なんて 笑って解決できることでも 他人と話していないと どうしようもない状態で うんうん唸ってしまうことが多くなる。 二浪目のときに 誰とも話すことがない日々が続き ともすれば自分に声があるのかないのか 分からなくなる瞬間さえ…
苦しさが増してくるほど 自分しか見えなくなる。張りつめたほうが 見えてくるものがあるから それもいいが 受験勉強は孤独な戦いではあるけれど その戦いを支えている人が かなりいることを忘れがちだ。 僕の母は、 毎日4時頃に起きて弁当を作っていた。 正…
秋きっと僕の顔はひどかった。 いまやもうその顔は 思い返すこともできない。 というか 当時はその顔が 普通の顔だと思っていたから 気にかけることなんかしなかったわけで だからそもそも 思い出すなんてことが不可能なのだ。 他人という存在を忘れるほどに…
うまくいく模試もあるけれど 失敗する模試も多かった。 それは直前になっても変わることはなく 浮かれたのと同じ分 落ち込んだ。 二浪目の始まりに抱いたのは 計画通り行けば 秋口に記述もマークも順風満帆で 夏開けくらいまではきついけど それからはストレ…
東北大模試で見事に 8位をとった僕だったが その後が順風満帆に行ったかと言えば 実はそうでもなかった。 実力の一部だったとはいえ 全く初見の問題ではなかったものを解いて いい成績を取ってしまうと 「自分の実力を正確に測る機会を 失ってしまった」 と…
serendipity という言葉がある たとえば科学者が 実験の手順を失敗したことが原因で 大発見するような 偶然が幸運につながるようなことを言う。僕は二浪目のときに 東北大模試で全国8位をとった。 しかし これは種明かしをすると serendipityだった。 国語の…
10月に入ってから かなりストイックになることができて 一浪目に全ての大学を落ちたとき 家族に自分が放った一言を思い出す。「次は宅浪するから」大学のホームページで 自分の受験番号がないことを確認すると 家族に早々とそう宣言した。その発言は家族の猛…
二浪目の10月と11月 僕は一番集中していた。 やることが見えているようだった。 その頃には 夏に一度はまってしまった、 泥沼のような迷宮からは 遠く離れることができた。春には来ないようにさえ思われた 「入試」が 水平線から太陽が見えるように はっきり…
「死ぬ気でやれ、むしろ死ね」 そんな狂喜乱舞した言葉を 何かの紙の裏に書いて 部屋の壁に貼った。 貼ったのはたぶん9月あたりだったと思う。ずっと計画的にやってきた。 吐くまでやれとか 連続何十時間勉強せよとか 精神論は嫌いだった。 適度に休憩をとら…
人一倍負けず嫌いのくせに 癖だった言葉が「無理」だった。その言葉を浪人している時に 禁止にした。 理由はそんなに大それたものではない。 人一倍負けず嫌いだということを 自覚して半ば誇りにしていたのに 「無理」を連呼する自分が 矛盾しているように感…
一浪目と二浪目の決定的な違いを 今まで何個もあげてきたけれど まとめてみるとぴったりくる言葉がある。「知行合一」多くの偉人とされるおじさんやおばさんが この言葉を掲げてきた。 その細かいニュアンスなどは 人により違うものの 僕が解釈しているよう…
段々と浪人生活に息苦しさを感じると どうしようもない閉塞感に 襲われるようになる。 孤独そのものの二浪目の生活だったので 僕は精神的に不安定になった。 当然のことのように 毎日予備校に同じ時間に行く。 同じ時間に昼ご飯を食べ 毎日同じような勉強を…
もう少しでこの長い 「夏休み」というトンネルを抜ける。そう思った瞬間 同時に二学期が始まってしまう。 そういう不安が襲ってきて プレッシャーとの追いかけっこが始まる。 僕はそういうことを考えたとき 二浪目にしていたことは 今からセンター、二次試験…