佐藤ノート№19 〜自殺と原始人〜
段々と浪人生活に息苦しさを感じると
どうしようもない閉塞感に
襲われるようになる。
孤独そのものの二浪目の生活だったので
僕は精神的に不安定になった。
当然のことのように
毎日予備校に同じ時間に行く。
同じ時間に昼ご飯を食べ
毎日同じような勉強を繰り返す。
そんな毎日に
今現実にいるのか分からなくなって
だったら死んでみようかと
暇つぶしのように考えるようになった。
今でこそ笑って話せるが
当時は半分本気だった。
本当に悲しいのは悲しんでいる人ではない。
自分の悲しさを理解されない人だ。
今日天気が悪い。
つまずいて転びそうになった。
そんな馬鹿みたいな理由でも
色んな事が重なると
人は簡単に死にたくなる脆さがある。
死にたくなる僕に
なんとか抵抗しようという僕は
対策を考えた。
あれこれ試したけれど
うまい方法は見つからず
なんとなく試した方法が大当たりした。
食って、寝る。
ただそれだけだった。
そういえば最近いつもの時間より
15分も遅く寝てるな。
そう思ったのがその方法を試す原因だ。
いつもより10分ほど早く寝ることにした。
悪い感情はゆっくりだが沈静化した。
結局何もしないのに
起きていることで勉強している気になって
日々の焦りを緩和しようとしていた。
そのせいで次の日も集中力を欠き
その罪悪感を背負うという
悪い循環しかもたらさなかった。
凝った方法も効くのかもしれないが
今でもこの方法は愛用している。
やっぱり人間何世紀になっても
健康を支える方法は変わらないのだろう。
一命を取りとめたり
病気を経験した人は人生観が変わるという。
一度死んだ身だと思うことで
ためらっていたことに
挑戦する勇気が湧いたり
死ぬ寸前に思い残したことを
実現できるからだ。
僕もそれに近い状態になった。
いや、今もなっていると言うべきか。
短絡的な考え方だ。
と一部の人には怒られるかもしれないが
あの負の感情を抱いた時
僕は一度死んだのだ。
そう思うことで
明日の自分の身の脆さに身震いし
今日安穏とする自分に鞭打つことができる。
今日も素敵な一日でありますように
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