佐藤ノート№24 〜良薬は口に苦し〜
10月に入ってから
かなりストイックになることができて
一浪目に全ての大学を落ちたとき
家族に自分が放った一言を思い出す。
「次は宅浪するから」
大学のホームページで
自分の受験番号がないことを確認すると
家族に早々とそう宣言した。
その発言は家族の猛反発を受けることになる。
宅浪するなら実家で浪人は許さない。
何もかも自分で生活していきなさい。
親にそこまで言われ
僕はすねながら
二浪目も予備校生活をすることを決めた。
当時は
予備校に行く時間は
意味がないと思っていた。
それなら
自分で自分に合った勉強をしたほうが
断然時間の節約になると思ったからだ。
予備校に行かせられたことへの
不満がなくなったのは
秋になってからのことだった。
朝早く予備校に来て昨日の復習をし
ほぼノンストップで夜まで勉強し
小腹を満たしてから
最後のもう一踏ん張りをする。
そんな集中力を保てていることを
不思議に感じ
宅浪していたらこんなことできていたか
と思った。
きっと
明日は何の問題をやろうか
どこで勉強しようか
何時までやろうか
そんなことを悩んで
勉強どころではなかっただろう。
宅浪が悪いことではないと思うが
僕の場合は
そうしなかったことが
受かるか受からないかに関わらず
よい選択だったと実感したのは確かだ。
ただ単に
辛いことを避けたくて
予備校に行きたくなかったのかもしれない。
プライドの高い僕にとって
人の意見というのは
すごく耳に入りづらい。
結局
自分の人生は
自分が全てだと考えていた。
けれど
二浪目にして
自分の人生の大事な部分に
他人の意見があることに気付いた。
「良薬は口に苦し」
とは良く聞くけれど分かったのは最近。
嫌だな、と思う意見ほど
よく考えるようにしている。