嫉妬。どうして僕じゃなくてあの人が相談相手に選ばれたのか
どうしてぼくには
何にも話をしてくれないんだろう。
「佐藤くん、◯◯さんこの件で困ってるみたいなんだけど聞いてた?」
パートの大橋さん(仮)にちょっと前に言われた言葉が
のどに刺さった小骨みたいにひっかかる。
バイトで後輩を持ってから
何となく悩んでいたこと。
ちょこちょこ気になっていた小骨が
その日はやけにきちんと刺さっていました。
思い返せば「何にも」ってわけではないけれど
実際、ぼく以外の人には話されている悩みも
ぼくの耳には入ってこない。
世話話ならまだしも
仕事上の悩みまで話してくれないとなると
気持ちとしてひっかからざるを得ない。
最初は
それが自分の立ち位置なのかもしれない、
そう思っていたけれども
どうやらそうでもないらしい。
あまりに甚だしかったから。
「大橋さんはその話どこで聞いたんですか?」
ぼくはパソコン越しに大橋さんに尋ねる。
大橋さんは同じ課の女性のパートさん。
実はこの課の屋台骨になっていて
課のお母さんみたいな存在になっていました。
「私もたまたま聞いただけなんだけどね」
たまたまですか。
たまたまでも良いよなあ、何でも話してもらえる人は。
ちょっとやきもちを焼くような気持ちで
Excelに数値を打ち込む。
そういえば。
向かいのデスクの
大橋さんの顔を見て気づく。
ぼくも、大橋さんには何でも話しちゃうよな。
本当に困ったときも
「これ話しかけてもいいかな…」
なんてことを悩まないで
するっと話しかけることが出来る。
そんな存在の方でした。
だから、逆に考えると、
どうしてだろう、と。
どうして彼女には話しかけやすいんだろう、と。
すると、思い出すことがありました。
彼女とは“たわいもない話”を
たくさんしてきたのです。
Mystery Bike / Clearly Ambiguous
「佐藤くんは学校まで何で通っているの?」
「大学で何の勉強してるの?」
「兄弟何人?」
大橋さんはそもそもしょっぱなの仕事で
ぼくに色んな業務の説明をするときから
そういうたわいもない話をしてくれていました。
「じゃあ次はあそこに移動して説明するね」
と次の説明の場所に移動するちょっとの間も
話の接着剤のように入れてくれて。
そのときは、
どうしてそんなこと聞くんだろう。
くらいにしか思っていなくて。
けど気がつけば無意識のうちに
ちょっと気になったことや
これこうしても良いんじゃないかと思うことは
大橋さんに相談している自分がいる。
大橋さん自身はそれを
意識してやっているかどうかは
分かりませんけど
それは後にぼくが学ぶことになる、
ファシリテーションのひとつでした。
つまり、自分がしゃべることを
どんどん促してくれて苦じゃなくしてくれたわけです。
それまでぼくは、
仕事に関係ない話は
極力すべきじゃないと
思っていたタイプでした。
仕事してなんぼだし
それが相手のためだとも思っていました。
けど、
たわいもない話こそが、
いざとなったときの
信頼関係作りにつながると気づいたんです。
何が役に立つとかじゃないけど、
何だって良い、
まず話しかけるようにする。
雑談力
みたいなものが大事だと気づいたからと言って
すぐに雑談ができるようになったわけではないけれど
次第に本屋でそういう本を手に取るようになりました。
そうやって、
仕事をするのは“人と人”ということを
このときから少しずつ少しずつ
理解して行ったのだと思います。
大学一年生の秋に入るくらいのことだったと思います。
前回の話
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