知っていましたか? 彼女への彼氏の一言が僕らに“幸せ”を教えることになるって
彼女は、彼氏のために鶏の唐揚げを作りました。
いつもよりちょっと工夫して、カレー味に。
Fried Chicken Bits, Japanese Style / naotakem
彼氏が唐揚げをほおばる。
彼女は、内心ドキドキしていたのかもしれません。
おいしいかな、どうだろう。
美味しいって言ってくれるといいな。
そんな風に、彼の箸先を見ないふりして
ほんとはきょろきょろ、気にしていたのかも。
「お、これいいな」
その一言は何気ない一言だったのかもしれない。
けど、彼女にとって、
その言葉は軽やかに、
けどしっかりと
ずうっと続く暖かさを残す。
そしてその日は、彼女にとって
かけがえのない記念日になる。
この気持ちを歌にしたいなあ。
なんでもない日のささやかな幸せのこの感じ。
そう思った彼女がつくった歌が
“「この味がいいね」と
君が言ったから
七月六日はサラダ記念日”
多くの人がこの短歌を、一度は見たことがあり
途中まで聞けば口ずさめるのではないでしょうか。
そう、俵万智さんの短歌『サラダ記念日』
日常の何気ない嬉しさが、
自分にとってかけがえのない一日になっていく。
そういうやわらかく広がる気持ちを詠んだ歌。
俵さんは、Twitter上で
この歌の誕生秘話を書いています。
1 おととい名桜大学の学生さんに話をする機会があって、そのおり「なぜサラダ記念日は七月六日なんですか?」という質問が出た。実際に七月六日だったわけでも、サラダだったわけでもない。
— 俵万智 (@tawara_machi) 2014, 7月 6
2 鶏の唐揚げを、ちょっと工夫してカレー味にしたら「お、これいいな」とボーイフレンドに褒められて嬉しかった。そんなささやかなことがきっかけで、こういう気持ちを短歌にしたいと思いました。
— 俵万智 (@tawara_machi) 2014, 7月 6
3 でも、鶏の唐揚げじゃヘビー。もう少し軽やかなものがいいいかなと思いサラダが浮上。豪華なメインディッシュが美味しいのは当たり前だから、そうでないサイドのもの、という点も大事。
— 俵万智 (@tawara_machi) 2014, 7月 6
4 次に記念日の制定に入るわけですが(笑)サラダが美味しいのは、野菜に元気が出る初夏。六月か七月か。サラダのS音との響きあいを考えて、月は「七月」に決定。
— 俵万智 (@tawara_machi) 2014, 7月 6
5 では七月何日にしようかというときに、まず思いついたのが七夕。でも七夕やバレンタインやクリスマスは、多くの恋人たちにとっても記念日。そうでなく、普通のなんでもない日をこそ記念日って思える歌にしたい。で、一日前の普通の日、六日になりました。
— 俵万智 (@tawara_machi) 2014, 7月 6
No description needed / rick ligthelm
ぼくはこの歌を小学校のときに見たのですが
今回、あらためてこの話を聞いてから
何度もじっくりと味わってみると
様々なことを経験してきた今だからこそ
味わえるものがあるなあと感じました。
ともすると
どんどんと過ぎ去って行く日々。
クリスマスや付き合った日や誕生日
そういう決められたイベントだけ
逃さぬようにお祝いしている自分がいる。
けれど本当に感じ取るべきことは
たとえば
TVを観ているとき
一緒に買い物をしているとき
料理が美味しかったとき。
そんな平たんな日常にも
ふと隣を見たときに感じられる
ささやかなあたたかさなのでしょうね。
「お、これいいな」
こんなことを言いながら
毎日が記念日になればいいなあ。
俵万智さんによる『サラダ記念日』の残りの解説は以下から読めます。
俵万智「サラダ記念日」誕生秘話 - Togetterまとめ
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