チャラいから合コンに行ってる男も女も、たかが知れてるってよ。

腹が立っていました。
「だいたい合コンなんて行ってもさ、
　そういうとこに来る人なんてたかが知れてるんでしょ。」
そう言った知人に。

その人に対して、彼女は「ナルシスト」と言いました。

bitter melons / kuromeri

「大地はいいなあ、たくさん出会いあるから」
知人が言う。
「もともと出会いがあったわけじゃないよ」
「そうなの？」
「そうだよ、
　合コンとかめちゃくちゃ行ったし、自分で開いたりしたし
　色んなパーティーだって自分から足運んでたよ」

それを聞いて、へえ、と知人は言ってから視線を落とすと
「けどいいや、そういうの、おれは」と一言放り投げた。

「なんで？ダメなの合コンは？」
「チャラそうに見えるじゃん。おれそういうのはイヤなの」

その言葉にイラっとする。

「だいたい合コンなんて行ってもさ、
　そういうとこに来る人なんてたかが知れてるんでしょ。
　おれ苦手なんだよね、ああいう場所で空元気？みたいに騒ぐのさ。
　ああいう場所に来る人って飢えてる人が来るわけでしょ。
　おれ飢えてるわけじゃないからさ、勘違いされると困るんだよね。
　なんかもっとチャラチャラしてない女の人がいい」

あーそうなんだー。

彼の言葉はぼくの言葉を棒にする。

「もっとさ、こう、別のやり方ないの？」
「んーサークルとかは？いるでしょ、いい人」
「サークルは人間関係めんどうになるからイヤだ」
「じゃあバイトもイヤだね」
「イヤだ」

「それ以外でも多くはいないくても、ちょっとはいるでしょ、知り合いに」
「そりゃいるよ」
「じゃあその中の子にさ、『飲みにいかない？』とか言ってみれば？」
「いきなり言うのとか変でしょ。ねらってるみたいじゃん」
「だってねらいたいんでしょ？」
「だからーもっと自然にー」

「困ったね。じゃあいいんじゃない、何もしなくても」
「それじゃ誰も来ないじゃん」
「うん……」

それから知人をないがしろにもできず、
作り笑いを浮かべながら小一時間話していました。

coffee / miss.aj

「チャンスがない人間に限って、ナルシストなんだよ」
たまらずにその話を愚痴として友人の女性に話すと、彼女はバッサリ言う。

「ナルシスト？」

「『自分がこう見られたい』『だから色んなことがNG』
　そういうふうに自分の理想像ばっかつくるだけの人は、ナルシスト。
　逆にみんなそう思ってないから、あんたのことなんか」

「それって周りじゃなくて自分のことばっかり考えるから”エゴイスト"じゃないの？」

それは違う、と彼女

「エゴイストなら良いの、
　それが善かろうが悪かろうが、
　意地でも手に入れに走るから。
　野獣、野獣。
　獲物見つけたら、エゴイストは
　自分に合わせようが相手に合わせようが気にしてないから。
　けど、ナルシストは違う。単なる理想ばっか並べてんの。
　で、自分のオリから出たくないだけだから。
　自分に合わせろよ、周りがよ、みたいな」

なるほど、さすがっす。

「一生一人で暮らせばいいのにね。それなら」

さすがっす。

20111130-IMG_2579 / vauvau