「既読」表示のせいで僕らに「待つ力」がなくなってる
「既読スルーをめっちゃ気にしてしまうよね」
って話をまえに男女数人で話したことがあって。
LINEなきゃこんなことにはなんないのにね。
とか
距離が近くなればなるほど、待つ力がなくなってる。
むかしは、手紙で。
それが電話になって。
メールになって。
相手がすぐにでも捕まるようになる。
だから捕まらないようにすることもおぼえる。
いまケータイ無くしててさ、なんて。
それがいまや「オンライン上」とか「既読」がつくようになる。
「ねえ聞いてる?」
「なんで返さないの?」
相手が画面ごしに見えるから、よけい気になって、返事を求める。
ぼくらの距離は、どんどん近くなってて。
近くなってるはずなのに、さびしさも前よりずっとずっとすぐにやってくる。
「待つ力」みたいなものがあるなら、それはずっと弱々しくなったんじゃないかと思うのです。
ずっと前は、じぶんの気持ちを届けられるだけでも嬉しかったんだろうけど。
*
やっと返事が来て、それだけで嬉しかったのに、返信して、またおなじことをくりかえしちゃう。
また待てない。
「読んでよ」
「なんで返さないの」
「何この返信」
『走れメロス』のセリヌンティウスはメロスの人質として3日待った。
セリヌンティウス、強いよなぁ。
人生を、かっぽしよう
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