恋愛詐欺師はどうして「画像」を見せてくるのか。狙いは肌が触れる距離への侵入
恋愛詐欺師は、だいたいフォルダに猫の画像やら旅の画像やら料理の画像を入れている。
「ねえ見て見て、これこの前作ったの、パスタ」
そう言って、となりの女性に恋愛詐欺師は画像を見せる。
実はそうやって、戦略的に親しさをつくりあげているんです。
親しさっていうか、肌が触れ合える親しさっていうか。
2011.5.15 - Omurice (90/365) / loveloveshine
「ねえ、見てこの前旅行行ったんだけどさ、ここめっちゃ綺麗じゃない?」
ケータイに入った旅行の画像を見せる。
女性が顔をのぞかせて画像を見る。
「うわあ、めっちゃきれい!」
喜ぶ。
「パスタ作ったんだけど、ちょい失敗した(笑)」
ケータイに入ったやたら失敗のパスタを見せる。
隣の女性がぐっと身を寄せてケータイを見る。
「何これ!へたくそじゃん(笑)」
楽しむ。
恋愛詐欺師の作戦は成功である。
恋愛詐欺師の手練れ(てだれ)たちと一緒にいると、
彼らの話術もさることながら、そのネタの仕込みにも驚く。
意識的にやっている人もいるし、無意識にやっているひともいるけれども、
多くの恋愛詐欺師がやたら使うのは
「画像を見せること」。
で、ネタになりそうな画像がだいたい入っている。
で、それを会ったときの中盤くらいに見せてくる。
目標は「私的距離」圏内
Relax, Mr. Accountant / Dennis Wong
「親密距離」というものがあって。
ひとりひとりは、「パーソナルスペース」という心理的な範囲を持っていて、
その中に入られると、なんとなく違和感を感じたり(宮城で言うところの「いずい」)不快感を感じたり、驚いたりする。
心理学者エドワード・ホールは、他人との距離感を4つパターンに分けました。
3m66cm〜を「公共的距離」
3m66cm〜1m22cmの遠さを「社交的距離」 として、
ビジネスをする相手や見知らぬ他人はここの範囲に置きたがる。
それもよりも近い距離。
1m22cm〜45cmの距離(だいたい両腕を広げた範囲内)は
「私的空間」で、夫婦や恋人同士の距離感
45cm以内が「親密距離」
最も心を許している人との触れ合ったり抱き合ったりするスキンシップの距離。
そして1m22cm以内の「私的空間」以内に入ることが恋愛詐欺師の目標ラインです。
そして「お持ち帰りする距離」は45cm以内。「親密距離」です。
親密距離までくると、もはや大量ゴールです。
ラグビーで言うところのトライした後にキックしてコンバージョンゴールするようなものです。
五郎丸選手ごめんなさい。
ただし、じぶんから相手の親密距離以内に入ると相手は不快感を示すので
できる限り相手のほうから喜んで入ってくる必要があるわけで。
それをどうするかって話の中で出てくるのが
「相手の興味を引く画像」
ってわけですね。
ほら、想像してみてください。
「ねえ、見て見て」って言って、
ケータイをじぶん側で見せれば相手は画面が小さいから詐欺師に寄るしかないでしょ。
これiPadでやったら頭悪いですけどね。
で、どんな画像を入れてくるかっていうと、
ネコみたいな多くの人が「かわい〜」っていうようなやつ。
料理みたいな「おいしそ〜」っていうようなやつ。
景色のような「きれ〜」っていうようなやつ。
こういう「え、見たい見たい」と、積極的にあっちが気になって見に来てくれるやつですね。
この私的距離を縮める戦法については、
有効な回避方法をあまり知らないんですけど、
ぼくが一番有効だと思うのは
距離が縮まった後は、意図的に縮める前よりも離れてみる
ってこと。
なぜか言えば
一度私的距離に入ると、距離感がマヒしてしまって、
さっきと同じ距離をとっていると思っても、実はそれほど離れていなくて
そうやって気づいたらめっちゃ近くってことになりがちだから。
だから、意図的にさっきよりも距離をとってみる。
それでプラスマイナス0にする。
まあ、この方法、ぼく女性に取られると弱いんですけどね。
***
ということで、詐欺にだまされぬように、相手と距離をとりながら盲目にならんように。
ちなみにぼくが現在ネコの画像を入れているのは、純粋にネコを溺愛しているからです。
悪しからず。
毎度ながら懺悔しつつ。
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