佐藤ノート№7 〜友達は「孤独」〜
二浪目の昼休みに
毎日ずっと見続けた風景がある。
二階の開けた空間から見える、
一階の掲示板だ。
それを見ながら、
毎日いつも一人で
おにぎり2個と
小さいタッパーに入れたおかずを
食べた。
予備校に知り合いはいた。
たまに話をしたり、
一緒に昼食を取ったりした。
だが、
大多数の日が
「いってきます」から
「ただいま」まで
一言も話さない日だった。
たまに人と長く話すと、
口の周辺で筋肉痛が起きたくらいだ。
僕は人見知りが激しいが、
人と話すことは嫌いじゃない。
一浪目のときも二浪目のときも
帰りのバスの一時間半、
ずっと喋っていたくらいだ。
(さすがに二浪目の後半は帰りのバスで話すことを遠慮したが)
最近は
一人で昼食をとっていると
友達がいない人だと
見られるのが嫌で、
トイレで隠れて食べる若い人が多いらしい。
分からなくもない。
「友達がいない子」
とされるのは
社会では下位、とされる風潮だから。
僕は大学に入った今、
予備校時代を振り返ると
あれだけ孤独で、
あれだけ淋しくて、
紙一重で正常を保った時期は無い
と思う。
同時に、
自分に対して、
一番向き合えた時期だとも思う。
友人をもつことは大事なことだ。
しかし、
人生で一度くらい、一年くらい、
しっかりと、
自分ととことん対話するチャンスは
必要だ。