君がつながることで、忘れていくこと
ねえ、さっきからずっとスマホを見ているね。
電車の中で女の子が見えて。
さっきから、ずっとスマホを見ながら
時折、口角が上がったり下がったりする。
僕はそれを、彼女の向こうに見える田んぼに重ねて微笑ましく見ている。
友達や、家族や、知り合いや、恋人とつながってんのかな?
そんな風に想像する。
こうやって、君は世界とつながっていて。
僕はきみとつながるには、今手に持っているタブレットを
インターネットにつなげば良いのだろうか。
そんな風に思っていて。
おかしいよな。
いま、こんなに目の前にいるのに。
意味のないものから意味を見つけ出すような
あるいは
意味のないものをそのまま受け入れるような
そういう生活を、僕らはどこかに置いて行きつつあるのではないか
そんな風に感じられて。
いま、ここ
に生きている意味がだんだんと失われて行く。
インターネットの世界は、今どんな天気ですかって。
そんなバカみたいなことばかり思っている。
どこぞのものとも分からない道を通ってしか君に会えない。
けど、そうすれば、君に会える。
そこで、大声で君の名前を呼んだら
君は僕を見つけてくれますか。
起きないことなど、分かっていますよって。
そういう世界なんですよね。