オトコたちが近づき過ぎるなら、ボディーガードに指輪がきく
「あれ、彼氏いたんだっけか」
ブルーの石が真ん中に光る指輪が見える。
久しぶりに街中で会った女友達。
人の指輪をよく見るくせのあるぼくは
右手薬指に指輪をしているのを見つける。
左手薬指は結婚していることをあらわすけれども、
付き合ってると右手薬指につける女性は多い。
ああ、
と、彼女は素直に言葉が出てこない様子。
「これね、ガードのために付けてるの」
モテる、というのは突然みたいで。
それは、良い意味でも悪い意味でも。
なんでもそのとき
職場の同僚にやたらモテ始め
それまでそこそこの付き合いの人に言いよられるようになったらしい。
彼女は、周りにやたら好意を寄せられて、モテ期とか言う限度を通り越して、困るようなレベルになっていました。
残念なことに
他人を引き寄せてしまうのは、個人の問題にされるから
何とか自分で周りの人と距離を取るしかない。
以前紹介したように
聞き上手にならないという作戦もあるのですが
自然体として聴き上手なひとにそれは難しい。
そして彼女にもそれは当てはまり
何が原因か分からない彼女に、打つ手は思い浮かびませんでした。
「悩んでいるときに、古くからの友だちに、『じゃあダミーで薬指に指輪つけてみたら?』って言われたんだ」
そういうことがきっかけで指輪をつけ始めたらしい。
「効果は、どうなの?」
と聞くと、それが指輪のおかげか分からないけど、
前よりも減った、と彼女は明るい顔で笑う。
何となく、この人自分のこと好きなのかな?どうなのかな?
というグレーゾーンの人と距離を取るのが一番難しい。
怪しいなあ
と思ったときに
「自分、付き合ってる人いるんで」
と言うのもなんか自意識過剰でおかしいように見えてしまう。
けど、何もしないと、気づいたら引き寄せてしまっていて
気づいたときには、相手は境界線を飛び越えて、ガードをかける暇もなくなってしまっている。
そう考えると、指輪、というのは、とても良い。
目で見て分かるし、自分から主張しなくても良い。
友人は、ナイスアドバイスをしたなあと思いました。
photos C sabinpaul / studio photos C sabinpaul
これには後日談があって。
その子と用事があって話しているときに
ちらりと見えた指輪には、ブルーの石はついていない。
「あれ、変えたの?」
とぼくが指輪を指して訊くと
「うん、そう」
何だか彼女はちょっと気まずそうに言う。
「ガード用なのに、ちゃっかりオシャレ指輪にしてんじゃん」
と茶化すと
ううん、と彼女が首を振って
「違うの。付き合ってるの」
と返ってくる。
えー!いつ? などとぼくが詰め寄ると
「前に、話した人」
と言われるけれども、え、だれのこと?だ、とハテナが浮かぶ。
「ほら、指輪のことをアドバイスしてくれた人」
やっぱり彼女は、照れくさそうに笑っていた。
そうか、と、ぼく。
ずっと守ってくれたわけだ。指輪で。
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