人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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「マザコン彼氏」なんて彼女が言ったのは、彼の母親に勝ちたいから

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どんなに中身も外見もかっこいい男性でも、一発で女性に冷められることがある。

ザコン

これ。


女性と話していると
ザコン男性はイヤだ。
という人たちもたくさんいるけれど
ザコンでもOK。
という人たちもたくさんいる。


けど本当のところは、
ザコンってどういう意味で使われているかは、
彼女らがはっきりつかみきれていない気がするし、
ましてや男性もその判断に困惑している。


ひとつあるのは、
「母親に勝とうとしているから言ってしまう」
ということがある。

親子丼/ a bowl of rice topped with chicken and eggs
親子丼/ a bowl of rice topped with chicken and eggs / [puamelia]


「男なんてみんなマザコンだよな!」
という話題は、もう何度も色んな席で噴き出す姿を見てきた。
そのたびに、誰かが過去のマザコン判定された話を出してくる。


料理を食べて、ついつい「家の味とちょっと違う……」とこぼしちゃったらマザコン判定。
就職口を彼女からアドバイスされて、結局母親との口論の末に母親のお願いを聞き入れたらマザコン判定。

そういうマザコン判定の愚痴が噴き出した場所で先輩が
女友達にマザコン彼氏を相談された時の話をしてくれた。


Yebisu Beer
Yebisu Beer / Hyougushi


「女の、まあそこそこくらいの友だち関係のコから相談されて。
 マザコン彼氏がイヤになってますって。
 『彼氏が自分の約束よりも母親との約束を優先するときがある』って言ってきてさ」


難しい選択。
長期的な休みのときなんかに、彼女と遊びにも行きたいし、家族との時間も大切にしたい。
それで何度か母親を優先させて、彼女の彼氏はマザコン判定を受けてしまったわけだ。


「けどさ、聞いてると、その彼氏すごいいいやつなんだよね。
 どう考えても彼女をほっぽらかしているようには聞こえない」
「そうなんすか?」
「だってさ、彼女が連絡すると、働いて疲れてるだろうにも関わらずきちんと返してるみたいだし
 長い休みの日に旅行行こうって言ってるのも彼氏の方からが多いらしいし」
うん、良い彼氏さんではある。


「でも、過度に母親大好きってところがあるんじゃないですか?」
「そうだな。母親は好きな感じはした。頻繁に電話で連絡はしているみたいだし」
「じゃあ、マザコンっぽさがあるんじゃないすか?」
それに対して、先輩は、いや、と首を横にふった。
「その彼氏、親がこうしなさいってことにはあまり首を縦にふらないらしい」
「それが?」ぼくには意味がわからない。
「自分の意思で自分のやること判断できる人間を、基本的にはマザコンとか言うのはおかしい。
 それで自分で判断して、そのときは母親との用事を選んだ、ただそれだけのことだよ」


そうか、と思う。
先輩によれば、母親の「こうしなさい」で自分を決めている人をマザコンと呼び
自分の意思で行動している人をマザコンとは呼ばないらしい。



「女友達には最終的に、おれが半分怒っちゃって。一方的に喋っちゃった」


先輩は、こんな感じで怒涛の勢いでたたみかけた。


Rice bowl topped with salmon and salmon egg
Rice bowl topped with salmon and salmon egg / pelican


「そもそもさ、母親と同じ天秤に乗ろうなんてのは間違っているんだよ。
 彼氏の母親を女性と見て、同じ天秤に乗るなんてさ。
 だって相手は彼氏を自分のお腹から生んだ存在なわけで、
 そこから何十年もそいつの鼻たらしているときから
 一緒に色んなこと一緒に経験してきて、
 一緒に悩んできて乗り越えてきたんだよ。
 それを、同じ土俵に乗って嫉妬するなんておこがましいにもほどがあるよ。
 それでさ、自分のことをたまに置いとかれたとして、
 それでマザコンとか言っちゃダメだよ」


「けど、私にとっても大切な日だったから」


「他でおまえのこときちんと考えてるわけでしょ?
 そういう人はね、なんでもかんでもそういう考え方にしたがるの。
 私と仕事どっちが大事なの?とか言い出したりするんだよ。
 おまえ、仕事抜いた彼氏が好きなのかって話。
 家族思いじゃない彼氏になったら、好き?」
「それは、イヤ」


「だろ? だからダメだよ。
 都合の良いときだけ『家族思いの人が良い〜』とか言っておいて、
 自分よりも母親優先されて都合悪くなったからってマザコンとか言うなよ。」
「そうだけど」


「自分が付き合って、仮にも彼女って立場にいるんだったら、
 どうしてまず彼氏の判断を理解しようとしてあげないんだって話。
 マザコンっていうレッテル貼るのが早すぎるだろ。
 家族があって、その優しさでおまえも支えられてるんだから、それを尊重しないと」


Eggs
Eggs / John Loo


思い出しながらの話を聞いていても先輩の圧力を感じたので
「友だち、泣いてませんでした?」
ぼくが先輩に聞くと、
泣いてた、と先輩は苦笑した。
けど、と続けて
「『大丈夫、ほんとにおまえが大切だったら戻ってくるから。
 おまえ、そこにも自信ないの?』
 って言ったらすげえ元気になって、帰ってった(笑)」


人をコンプレックス持ちと言っているのはもしかしたら
どこかで、自分の卑屈さが出ているのかもしれないな、と思った。


「自分の自信の無さを第三者のせいにしちゃいけないんだよ。
 それは、彼氏と向き合うことであって、母親とかのせいにしちゃいけない」
先輩の言葉があたまをよぎる。


自分が後回しにされたどうしようもない気持ちを
なんとかどこかで発散したくて、それでマザコンと言ってしまうときもあるんだろう。
大切な人の全てで一番を取ろうとはしないこと。
きちんと待っていてあげること。
これは良い関係を保っていく上で大事なんだろうなあ。


人生を、かっぽしよう
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