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人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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子どもが教科書に興味を持つためにぼくらが今からできること

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うおお、面白いなこれ!と思って生徒に話しかける。

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画像は※東京書籍 『新しい科学1年』より


「え、これ面白くない?
 どうやって見分けるんだっけ?」
「ええっと…あれー。水に溶かしたり熱したりすれば良いんじゃないすか?」
「このクイズっぽいの面白いね、こんな面白かったっけ、理科って」

ああ、とそれに対して生徒がボソッと言う。

「でもそこ飛ばすんで」

そのことばにぼくも、ああ、となる。
「やらないんだ」
「やらないです」

ま、確かにそう言えばそうだったよな。自分のときも。



「問題を解決する力というよりも設定する能力が足りない」
日本人にはそういう言葉がよく言われるようになってきました。


問題設定とはつまり、
「何が問題なのかを把握すること」
「答えが出る問いにすること」

たとえば犯罪率について。
「犯罪の少ないまちにするためにはどうしたら良いのか?」
という問いをまず立てて、そこからさらに進んで
「犯罪率を現在から20%減少させるにはどうしたは良いか?」
という具合に。
この場合は犯罪率を下げる方法を考えることが真の問題。


たとえば地方創生について。
「どうして地方創生がなされていないのか?」
「どうやったら地方創生するのか?」
という「はてな」から始まり、
「具体的にどの部分をどうすれば良いのか」が決まっていく。


具体的に、具体的に、と答えられて、お互いの考えが噛み合うようにする問題とする。
そこでどっちのやり方のほうがうまくいくのか、考えたい。そこで議論が必要になっていく。


だから、問題解決力よりも、その手前の、問題設定力のほうが必要だって話なわけで。


「バネ秤(ばかり)、どうして実験するの?」
そう聞いても
「よく分かんないけど」
って言うんです。
これって単にバネ秤をつるす拷問させられてるだけで。
こういう日常は溢れている。


ただ、ですね。
こういう状況を乗り越えるには、
ぼくは問題設定力よりもっと前じゃないかと思うのです。


もっともっと、前。
問題設定力よりも「関心力」を持ってもらうことだと思うんです。
難しい言葉に思うけど、つまりは
世界に「すげえ」「なんで?」「どうなってんの?」って思う力。


それはたとえば、綺麗な花が道に咲いているとして、
通り過ぎるをちょっと待って、一歩近づく力。

「すごいきれいな花」
「どうして花が咲くの?」


それはたとえば、まわりの人間が大好きで
その人間が泣いているときに、通りすぎずに一緒に考える力。

「すごい大好きな人がいます」
「どうして大好きな彼は泣いているの?」


先の例で言えば
犯罪率にそもそも関心持たないと始まらない。「悲しい」とか「つらい」とか。
地方創生の前に、「このまちすげえ楽しいなぁ」とか「このまちの人好きだなあ」とか。


そう言えばジョブズは、
SONYウォークマンを「面白い」って言って、
わざわざ取り寄せて「どうなってんの?」って隅々まで分解したことは有名な話です。


ぼくのまわりの友人たち見ていても
本当に関心力高い人ばっかりで
そういう人見ると本当に楽しそうに生きているんですね。
だからそういうの見ると、関心力持ったら人生すごい楽しいよなあっていつもしみじみします。
「すごい」しか言わないけど。



じゃあどうして、こんなにも大事なことがスルーされてしまっているのか。



どうして学校ではやられないのか?

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※高校英語教科書『Lesson 8 ローズ・オニール伝~キューピーの原作者~ ―WORLD TREK English Communication I―』より


どうして学校ではこういう関心力を伸ばすことがやられていないのか?
まだまだ自分自身不勉強なので今後調べていきたいところではあるんですが。


もちろん、カリキュラム上、ものすごい現場の先生方が抱えていることもあるのだと思います。
あと、1対30人とかの指導体制でひとりひとりの興味関心合わせづらいってとこもあります。

そして教えることのノルマは決まっている。
その章で教えないといけないことが決められているわけで。
それは「関係代名詞」とか「現在完了形」とか「バネ秤で重量をはかる」とか。

そうすると、関心を持つ時間もとっていられないわけで。
すぐに方法論を教えに走ってしまう。


だから
「はい、次『キューピーの章』の予習で訳やってきて」
くらいで次にいくのではないかと。


けどですね。
まずはほんの一言
「なんでキューピーはできたんでしょーか?」
っていう一言から興味って始まる
と思うのです。


また、家庭でできることもあると思います。
もしご家庭のお子さんの教科書をみる機会があったら、チラッと見てほしいんです。
そうすると、本当に章の最初なんかに面白い問題がたくさんあります。

こんなの『世界で一番面白い授業』とかでやるとみんな面白がって見るもんですよね。


こういうことを、別に子供に勉強させようなんて魂胆を持たないで、
「これ、どうすんの?」
って純粋な興味で聞いてあげる。
人間、人に教えたがりだし、教えているとき、記憶が強くなっています。

結果的にはその子供の興味の幅を広げることにもなるんですね。


 ***


生き生きと何かを学び、何か問題を発見し、解決しようとする雰囲気は、特別何か根本の解決というよりも、
まずは世界に一歩近づくこと、そしてそこに「はてな」という関心を投げかけるようになること。


そして
何よりも、自分がそうあることが、スタートなんだと思っています。



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人生を、かっぽしよう
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