僕らは大学行って働いて幸せなの?「一番貧しい大統領」ムヒカの言葉が胸にしみまくる
先日『MR.サンデー』という番組で、
ウルグアイの元大統領であるムヒカのインタビューを組んでいて。
その内容に、多くの日本の方々が感動した、というコメントを見ました。
ムヒカさんの言葉を部分的に引用しながら紹介します。
日本人は働いて幸せなのか?
Sirloin steak @ Chako サーロインステーキ(チャコ, 東銀座) / jetalone
日本人が幸せなのかは疑問だ。
幸せとは物を買うことと勘違いしている。
幸せは、人間のように命あるものからしかもらえない。ものは幸せにしてくれない。
消費することで幸せを手に入れることができると考えるようになってしまった日本人に、
本当に幸せか?と疑問を投げかけます。
ムヒカさんは、
本当に必要なことは「時間」であって、
「時間」こそ大切に使うものだと言います。
そして、無駄に消費ばかりしてその支払いのために必死に仕事をして時間を使うのは、自由じゃない、とも。
無駄遣いしたりいろんな物を買い込むのは好きじゃない。その方が時間が残ると思うから。もっと自由だからだよ。
なぜ自由か…?
あまり消費しないことで大量に購入した物の支払いに追われ必死に仕事をする必要がないからさ。
根本的な問題は君が何かを買うとき、お金で買っているわけではないということさ。そのお金を得るために使った「時間」で買っているんだよ。
請求書やクレジットカードローンなどを支払うために働く必要があるのなら、それは自由ではないんだ
ムヒカさんの言いたいことを図にしてみるとこうなる。
モノを買って豊かになろうとすれば、ずっっっっと返済がついて回り、
その返済にずっっっっと時間を働くことでお金に変え続ける、と。
みんな同じレベルの日本人が持つ、豊かさという名の「妬み」と「恥」
Over the Rainbow Brown Rice / mealmakeovermoms
ぼくら日本人は、「自分」ではない「誰か」になろうとして、一生懸命生きている。
ぼくら日本人はたしかに豊かになって。
生活保護受給者や相対的貧困で苦しんでいる数百万人の一部をのぞけば
1日望めば三食くって、家があって、義務教育を受けて、携帯電話を持っている。
こうやってブログを書いたり読んだりまでできる。
生き残る(Survive)
というラインは楽々超えることができる。
それでも、もっともっとモノが必要だと思っている。
ぼくは自分用のMacBook Airを買い、LINEに登録し、酒を飲み、間食をコンビニで買って食う。今日は自販機でコーヒーも買った。
ぼくらは日本人は1970年代から「一億総中流」と考えるようになって。
「私は平均的な生活レベル」って考えるようになって。
そうなると、逆に
「平均にならないといけない」という考え方になる。
みんながLINEやるからLINEしないと。
みんながこのファッションするからこのファッション。
みんなが大学行くから大学行かないと。
みんなが就職するから就職しよう。
みんなが……
「豊か」という意味が変わって。
それはいつからか、じぶんのためにある言葉ではなくて、
誰かから負けず劣らずのレベルにならないといけないという意味になる。
「豊か」は「妬み」や「恥ずかしさ」と結びつく。
みんな平均になろうとして、ならないと恥ずかしくて
そのためには、みんなが持っているものを持たないといけない。買わないといけない。
みんな、自分ではない「誰か」になろうとして、一生懸命生きている。
誰かになるために、お金を使っている。
「本当に貧しい人っていうのは、他人に機嫌をとったり他人都合でじぶんの時間とお金を使う人だと思う」
と、ぼくがよく行くカフェのマスターが言っていて。
ああ、ほんとうにその通りだなと、はっとした経験を思い出すのです。
そう言えば、買い物上手な友人が
「自分の気持ちがほっこりしたらそれを買う」
と言っていて、そのときは「は、何言ってんの」と思ったけれども、いまはわからなくもないのです。
ただ、これが納得するものだって言っても
こんな「きれいごと」のようにも聞こえる話が「国」に通じるだろうか?
頭の中は、変えられる
このグローバルな世の中で、ちょっと気を抜けば他国から質が良くて安い商品がどんどん入ってくるうごきのなかで、国は「働け働け」というだろうし、働かざるものは食うべからずみたいな仕組みにするに決まってる。
じぶんだけ勇気を持って美しい生き方をするために手を離したら、
あれよあれよと不幸になるなんて、いやだ。
「その世界は実現可能だと思いますか?」
そう質問したディレクター側の質問にムヒカさんは
「とても難しいね。君が日本を変えることはできない」
と答えるとともに、
「でも…」
と続ける。
自分の考え方を変えることはできるんだよ。世の中に惑わされずに自分をコントロールすることはできる。
子供ができたら子供と過ごす時間が必要だし、友達がいたら友達と過ごす時間が必要なんだ。
働いて 働いて 働いて 職場との往復を続けていたら、いつの間にか老人になって、唯一できたことは請求書を払うこと。
若さを奪われてはいけないよ。ちょっとずつ使いなさい。
国を一気に変えることはむずかしい。
そして、それで生活が救われているひとたちもいるから、一気に変えていいものでもない。
だけど、
それを望んでいるぼくらひとりひとりの考えは変えることができるし
考えを変えたら、それを行動に少しずつすればいい。
この産業社会の日本で、「働かない」なんて大きな決断はできない。
ぼくは今すぐ完全にやるのはむずかしい。
ある程度のお金が幸せを手に入れるために必要なのはたしかだし。
けれど、そう考えていたとき思い出したのは
先日読んだ、藤原和博さんの「クレジット」の考え方。
時間をバランス良く現金化すればいい。
この中で、藤原和博氏は、クレジットの大切さを言っていて。
「クレジット」とは、
クレジットカードのことではなくて、「他者から与えられる信任」のこと。
この「クレジット=信任」は現金化できるけど、
全部を現金にしてはいけない、バランスを取って自由な時間を持とう、と。
みなさんがなぜ生きるのか、あるいはなぜ仕事をするのか、なぜ勉強をするのかの答えも実は全部ここにあるんですね。要するに、このクレジットを増やすためです。クレジットを増やして、蓄積することで人間は自由になれるんです。
(中略)
このクレジットが例えば1億円分ぐらいここに蓄積されてるとしましょうか。その人が年収として1億円を得ようとすると、かなりアップアップになっちゃって、休みもなくて病気になっちゃうかもしれないような過酷な状況になっちゃうわけ。そうではなくて同じ1億円分の信任、クレジットがある人が、3千万分ぐらいを現金化する場合、ここに7千万分ぐらいのゆとりが生まれますよね。これがビジネスにおける自由です。
例えば、明日奈良ですごい授業が行われるっていったら、僕はばっと行けちゃう。1年先の予定なんてまったく埋めてないんです。その自由度はこのゆとりから生まれるんです。
欲出しちゃって、収入を極大化すればいいというわけではないんですよ。クレジットを極大化しておいて、現金化するのはその一部としたほうが自由があって絶対にいいわけです。
じぶんの自由な時間を全てバイトに注ごうとか、全て仕事に注ごうとか、
気づけばそんなふうになっている。
ぼくはまさにそんな感じ。
だからそれをちょっと減らしてみる。
お金を得るための時間を、何もない自由な時間に使ってみる。
何もない。
そんな時間を意図的につくってみる。
何か面白そうなものがあったら、行ってみる。やってみる。
***
時間を何もない状態をつくるために使ってみる。
花一輪がきれいなことに気づけたり、友人の大切さに気づけたり。
それが豊かさ。
ムヒカさんは命あるものと関わることが自由だと言ったけれども
ぼくは「きれいだな」「素敵だな」「すごいな」そう思える時間こそ豊かさだと思うのです。
ムヒカさんのスピーチはこちらでも見れます。hana.bi
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