人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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「君しかいない」という一途さほど、うさんくさいと彼女は思う

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「考えたけど、Aさんしかいなくて」

と、なかなかにガヤガヤしたカフェの隣の隣くらいの席で、
男性が話していたのがチラッと聞こえる。
そういう言葉ってのはなぜだかやけにハッキリして聞こえる。

「告白してる」
ぼくと一緒にいた女友達が言う。
「だね」


けど、あとは聞き耳を立てても、もごもごした声しか聞こえなく
しばらくすると、二人は席を立っていって、結果はよく分からない。

「一途だね」とぼくが言うと


「ああいう一途さを作ってるのが一番うっさんくさいよね」


二人が去った後に、女友達が、言う。



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好きな人には、他の人と遊んできてほしい

GYRE
GYRE / Sig.


「あたしだったら、もっと他の人と付き合ってから来て欲しいと思う」
と女友達。

「え、なんで? 良くない?一途な人」

「やだー」

なんでだ。

「一途になってるときって、どっちかって言うと
 相手のことを見てるっていうよりも、
 自分自身で作り上げた理想・幻想の相手の姿みたいなの好きになってること多いよね」

「いや、そんなことないでしょ
 ほんとに相手を見てきて、言ってるんだよ」
自分を弁護する気持ちも込めて、反論する。


「他の人も見てないのに? お前だけだよなんて分かる?」


その言葉に、一瞬ぎくりとする。


「『他はよく分からない』『この人がいい』
 ってのだったらまだ分かるんだけど
 『おまえしかいない』ってのは
 勝手に相手に対して夢理想を抱いてるか
 相手が喜ぶと思って嘘言ってるか」

あ、たしかに。
自分の胸に手を当てる。


「で、そういう人って勝手にガッカリするんだよね
 で、勝手に怒って気持ちぶつけてくるし」

あ、たしかに。
自分の胸に手を当てる。


「だったら、遊び人でもいいから他のたくさんの人と付き合って
 けどなんとなくでも、おまえがいいな、って言われた方が良いな」




なんとなく、あなたがベストです

PANCAKES
PANCAKES / hedvigs


たしかに「これしかない」なんて、一体どこまで見て言ってんだよって話。
「いろいろ見てきた結果、やっぱりここに落ち着いた」
はっきり言えば「今んとこ、あなたがベストです」っていうことなのかもしれません。
「よくわかんないけど」くらいでも。
よくわかんないけど、すっぽりはまってくれるなら、それはそれで嬉しいかも。


「他の人とも付き合ったけど、やっぱりあなたがいいみたい」


運命の出会いなんて、ねえんだよバーカ
で出てきた彼のように、理想ばかり追いかけると、理想に苦しめられてしまう。


だったら
いろんな道を歩いてきましたけど、やっぱりここに帰ってきました。
みたいな。
ちょっと嘘くさすぎですか。


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