人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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コンプレックスに悩む彼女が 自分よりも太って一重の女性から教わったこと

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コンプレックスっていうものを、誰しも抱えている。


「このシミがなければなあ」
彼女はずっと思っていました。

彼女には
生まれつき、こめかみのところに
10円サイズくらいのシミがありました。


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s-R0015089 / eiko_eiko


人と話しているとき、
それを見られるのがイヤで
それを見られると途端に自信をなくして。


男性と話していると、
あからさまにシミを見られている気がする。
逃げるように話を終わらせる始末。

「可愛くないなあ」
鏡を見るたびに思う。
「このシミがなければなあ」
無ければちょっとだけ自分の顔に自信がある。


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ink-stain-texture-1 / designshard



「隠してみればいいんだ」

中学校、高校と上がっていくほどに
彼女はだんだんとそのシミを長い髪で顔で隠すようになって。


うまく隠せるようになると、ちょっとだけ自分に自信がつく。
一歩前に足を進ませて、男子と話すこともできる。


けど、高校生のあるときに、
ふとしたタイミングでシミが見えてしまったときのこと。
まじまじと男子にシミを見られてしまい
彼女は、また、逃げて出してしまう。


いくら隠しても、隠しても
結局のところは
いつかは見えてしまう。
見せなければいけない日が来てしまう。


彼女にとって、それは絶望でした。


けどきっと
「こんなコンプレックスを持っていても
好きになってくれる人がいるはず」


来る日も来る日も、
自分のシミがまるで見えないかのような人を探して。


それでも、そんな人はちっとも現れず
鏡を見てため息をつく日ばかりが続く。


彼女は大学に入りました。

まだ、コンプレックスは彼女の大きな大きな悩みの種。


大学のサークルに入ると、彼女はある女性との出会いを果たします。
自分よりも格段に太っていて、まるでトトロ。
目もそこらへんの人よりも重たい一重。
お世辞にも「可愛い顔」とは言えない。


Crossroads
Crossroads / matsuyuki


あるとき、サークルの買い出しで
その小太り一重の彼女と一緒のときがあって


「彼氏っている?」
と聞いてみた彼女。

「あーいるよー」
彼女は何気ない感じで答える。


それは彼女には衝撃でした。
失礼だけど、この子よりは自分は上。
もしかしたら悩みの共有くらいはできるんじゃないかと思っていたからでした。


なんで?
なんでいるの?
なんで私いないの?


「全然長続きしないけどねー」
相手は自慢するという感じではなくて
さも彼氏ができるのは当たり前の前提で、
本当に長続きしないことに
恥ずかしさを感じているように話す。


いや長続きどうこうの話じゃないし。


けど確かに、どこかその子には
吸い寄せられるような引力があることを
彼女は気づいていました。


Night Seesaw
Night Seesaw / Peat Bakke


「コンプレックスってない?」
気づいたら、彼女は寄り道した公園で
その子に相談していました。

「あるよ〜ありまくる」
はははっと軽く笑ってその子は答える。

そうだろうな、と彼女は思う。

そのコンプレックスをどう乗り越えているか聞くと

「乗り越えるって言うか
 結局それは変えられないんだし
 一生付き合っていかないといけないわけでしょ?
 そしたらマイナス持ってるって考えるよりは
 足し算で考えたいよねー」
と、いう言葉になんとなくハッとして
あのさ、と気づけば自分のシミをおそるおそる見せていました。
「あたしもこれ、コンプレックスなんだけど」


あ、そうなんだ〜
とその子はうんでもすんでもなく見て
そのあと一言


「それ、あっても、かわいいけどね
 全然かわいいけど」


ぽろっと出したその言葉が
お世辞には聞こえなかったから、
本当に心の底から泣きそうになる。


その子は続ける。
「けどさ
 隠そうとしたら、自分で余計に気にならない?
 隠さなくてもいいじゃん。
 だって犯罪犯したわけでもないんだよ。
 こんなんでごめんなさいね〜
 くらいにどーんと行ったらいんだよー」
 あたしなんてどけよデブとか普通に道で言われるからね。
 『面積とれないアンタが悪いんでしょ』って思うけどね」
カラッとした笑いが気持ちを晴れさせる。


きっとその強さに、みんなひかれていくんだろう。
わたしも、そうなりたい。

自分が自分を、一番好きになってやる

Home made Goya Chanpuru
Home made Goya Chanpuru / jetalone


コンプレックス
最近流行りの『嫌われる勇気』で
取り上げられているアドラー心理学では
コンプレックスという劣等感を
「これでいいんだ」「これが私だ」
と乗り越えてこそ
強い自信がつくとも言われています。


消しても消しても結局劣等感は消えないし
消していったらきっと最後には自分すら消えてしまう。
だったら、それとの付き合い方を考えるしかない。

そのために、多くの人と出会い話し
それぞれの人の強さや付き合い方を知るのは
とても大事なことなのだと思います。


誰よりも、自分が一番、自分を好きになる。


「これが私だ。いいんだこれで。」
それは、
誰かに好きになってもらって
安定を得ようとしては、ぐらぐらぐらぐらヤジロベエみたいになる。
だから誰よりもまず、自分が一番自分を好きになって
そうやって安定した自分を見て、
そのがっしりした強さに人はひかれていくのだと思います。



人生を、かっぽしよう
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嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

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