スピード感は本気度を表す
2019年に出会って、一番えぐられた言葉がある。
「スピード感は本気度を表すんだよ」
という言葉だ。
主に仕事についての文脈でその人は言ったのだけれど、ぼくにほこれまでの人生を深く見直せと言われているようで、深々と刺さった。
締め切りのある仕事や約束であれば、ぼくらはそんなにぞんざいな扱いはしない。
出来なければ、先に「できません」と言うかもしれないし、無理して引き受けて出来なければ「出来ないやつ」とレッテルを貼られるかもしれない。どっちにせよ、結果ははっきりと出るから回避も反省もできる。
問題なのは、締め切りの決まっていないことだ。
そして、こっちのほうが生きてきて多く遭遇する。
「時間がある時でいいから」「いつでもいいので」「もし良かったら…」
そんなら言葉が枕言葉として添えられる。
ぼくはこういうお願いが来ると
「いいですよ!」「もちろん!」
とか言う。
結局のところいい人に見られたいんだと思う。
けど、そうやって体裁良く返事して、返事した後はさっぱり動かないことが多い。そのうち催促される。「先日話したことなんですが…」あげくの果てにできないことがナンボもある。出来ないだけじゃなくて、放置してうんともすんとも返事しないこともある。
結局のところ、ぼくは返事した瞬間、相手に喜ばれる快感が得たいだけなのだ。
「やりますよ!」とその場で言うと、相手はものすごく喜んでくれる。まだ何もしてないのに、喜んでくれる。
ぼくはその快感が、好きだ。
「スピード感は本気度を表すんだよ」
という言葉は、そんな口ばっかりでいい人でいたいぼくに対して、「おまえ口ばっかり調子いいだけのやつじゃねえか。見え透いてんだよ」とえぐってくる言葉だった。
ただ、そこでえぐられたわけだけれども、自分が知らないところで、信頼はどんどん失われていたのだと思う。「この人、本気じゃないんだろうな」って
世の中には締め切りのない約束、お願い、相談の方が多い。
そういうことにこそ、自分で締め切りを設けて、出来る限り早く返す。その場でやれることはやる、分からないなら分からないと言う。
そうしないと、信頼なんて知らないところで崩れてしまう。
人生を、かっぽしよう