昨日のぼくは今日いないけど
4時まで起きていました。
一日の終わりっていつだろうと思う。
カーテンを開けるともう日差しは差し込んでいて、
時計を見なければ明け方なのか、日が沈んだのか分からない自分。
一日の終わりっていつだろうと思う。
人の一生って、
一周が何度も何度も回転するイメージなんだろうか。
一直線を終点まで進んでいくイメージなんだろうか。
そのイメージは
毎日の中でまた同じことが起きて行くか、起きないか。
そんな風な考え方にもつながると思うのです。
実は。
前の日と次の日の間には大きな溝とか暗闇みたいな瞬間があって、
そこで記憶を書き換えられるんだ。
昔はそんなことを考えていました。
昨日のなかでじぶんに必要ない記憶は、
その溝であたまからすっぽり抜き取られる。
そして、次の日のじぶんは抜き取られたことを忘れている。
そう思ってずっと起きていたときが昔あって、
けれど、とうとうそのときはやって来ず。
いや、知らぬ間に抜き取られていたのかもしれないけれど。
そんな昔のことを思い出しました。
あとほんの数時間したらぼくはまた目を開けるけど。
その数時間で、ぼくは昨日の自分をいくらか忘れてしまっているのかな。
ちがうじぶんになってしまっているのかな。
そうして、慌てるようにして布団に入って目を閉じました。
目を開けると、もう、さっきまでの日差しとは違って、
次の日がノロマな僕をおいて行くように始まっていましたとさ。
いくらか昨日のじぶんを忘れているのかもしれないけど
自分で憶えているくらいは、せめて憶えていてやりたいなと
思いましたとさ。