人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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ねえ。あなたから人が離れていくのは、そうやって一人で次に次に行くからだよ

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先日のイベントで使った店をもう一度訪れた。
今度はひとりの客として。


一度イベントで使ったお店は、もう一度訪れるようにしている。

今回はiPad Airを忘れるという理由もあるけれど(iPad Airがない期間、ぼくは囲碁ができなくて発狂しそうだった。老婆から服をはぎとって夜の闇に逃げていくくらいの勢いだった)

とろとろチーズのナポリタンとクランベリージュースをオーダー。
本当は一杯やりたかったけど、そのあと仕事があったからやめる。


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手際よくお兄さんが作って、その間に「このまえはイベントありがとうございました」なんてちょっかいを出す。「いやぁ高校生大人びてますねぇ」なんて返ってくる。

テキパキと出てきたナポリタンが、チーズがとろっとろで「ホンマにとろっとろチーズやないかい」とか心の中で喜びのツッコミを入れながら食べる。


祭りは日常を崩し、もう一度つくらせ始める。


ぼくのイベントが成功しようが、失敗しようが、そのお店としてはぼくの関わったイベントがきっかけで日常が少し崩れたわけで、イベントが終わった日々からはまた日常を取り戻す日々を始める。
言わば水槽のなかをぐるぐるとかき混ぜたあとに再びもとの姿に戻ろうとするような日々。



お礼参り


なんていう言い方は大げさだけど、再び「日常」という砂つぶを水槽の中に積もらせる中、ぼくも少しでも混ざれたらうれしいなと思って。
そのお手伝いが客のひとりとしてできたらいいなと思って。

ぼくは再びそういう場所を訪れるようになった。




人がひとり、またひとりと、面白いようにじぶんのもとから去って行ってしまった時期がある。
本人は何ひとつ面白いことなんてなかったけれども。


ずっと突っ走って、ずっと面白いことやって、ずっとデカいことやれば、みんなが憧れをもって、ぼくと一緒に走ってくれると思っていた。面白がってそばにいてくれると思っていた。


けど、実際はさらさらーっと手から砂つぶがこぼれてった。


相談が苦手だったぼくがまるで切腹でもするかのような気持ちで、そのことを友人に相談した。
だからたぶん、何を言ってるんだこいつは、みたいな気持ちの表現をして相談したと思う。


けれど友人は全てをわかったようにうなづいて、


「大地さんはね。先へ先へって行っちゃう。だからだれも付いていけなくて、そのうち追いかけるのを諦めて離れて行っちゃうんだよ」


その言葉は、そのときなんとなく腑に落ちなくて、というか、なんとなく受け入れづらくって、ふーんとそっぽを向いたような、ふぅんとか受け入れたようなそんな感じで受け取った。



「やりたいことをやりたいように勝手気ままにやっていって、こちらの気持ちをおかまいなしにいなくなる」


知人に言われた言葉がそんなふうに少しお叱り気味にじぶんの頭の中にふりかかってきたのはいつだったか覚えていない。

けど、あのときの知人の言葉がそういう意味だったのだなぁと思うと、どれだけやさしく友人が教え諭してくれたのかと気づいてありがたかった。

思えばぼくは勝手気ままに誰かを巻き込んで、用事が済めば音沙汰なしで、また用事があれば都合よく言い寄るみたいなことが多かった。
イベントで使った場所もまるで他人のように近づかないことがほとんどだった。

平穏な日常を「楽しさ」という正義で荒らされ、それが終わった後は知ったこっちゃない。それをやられたほうはたまったもんじゃない。
もう二度と付き合うかと思う。


「祭り」のあとは、「日常」が続いていく。日々のほとんどは「日常」で出来上がる。
かきまぜたら、落ち着かないといけない。そうやって日常ができあがっていく。




「次のイベントは決まってるんですか?」

と皿を洗いながらスタッフさんが聞いてくる。

「はい、次は小規模のを2月にやって、そこから3月に今回よりももう一段デカいやつをやります」
と返す。

それなら、とこんな場所はどうですか?こんな場所は?と意図せずに次のおもろいこと探しの花が咲いてく。




「また来ますね」
と言って店を出る。

できることならもうちょっとゆっくりしたかった。そしてできることならとろとろチーズのナポリタンのハーフサイズではなくてレギュラーサイズを食べたかった。

また来よう。


こんにちは、と言って入れる店がまた増えてうれしい。


人生をかっぽしよう