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人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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構想から36年ついに!仙台 地下鉄東西線に乗ってみたら「伸びしろ」ばっかりだった〜イクスカの可能性

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この瞬間に仙台にいて、歴史の一点を見た気がしました。

なんて言ったら大げさになるかな。


けど、それくらい長く長く時間をかけてきた、地下鉄東西線が、
いよいよ動き出した。


今回は、ぼくが見た仙台地下鉄東西線の姿と、そこから考えた今後のことについて、書いてみます。


<目次>

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交通網ができるということ


2015年12月6日

宮城県仙台市に地下鉄の東西線が走り始める。


これにて、仙台には
「地下鉄南北線」と「地下鉄東西線
太い背骨が2本クロスして走ることとなる。


IMG_4857


東西線の構想は1979年に始まる。


その後、工事の計画がうんたら、採算は見込めるのかうんたら、なんやかかんやらで、
工事開始したのだけど、2011年の東日本大震災で遅れたりと
気づけば2015年になった。



歴史上、交通網ってのは大きく物事を動かす。
ヒト、モノ、カネ、そして時間の動きを変える。


蒸気機関車の発明による産業革命は労働と経済の世界を変え、それは戦争すら起こし、
インターネットというデジタルな交通網は、世界をもうひとつ作り出すような事態も起こしている。


そういう中で、仙台の地下鉄東西線


沿線の整備と駅の新設で、仙台も大きく動き始めている。


この瞬間に仙台にいるってのは、でかい。
ドキがムネムネしてきました。


そして、特にぼくが今回の記事で注目したいのは
駅の立地と「イクスカ」という存在を通して見えてきた未来と課題。


まずは乗ってみる


っていうことで、早速乗ってみた。

https://www.evernote.com/l/ACZvCFyixQhB84h-6xP9zjuAQyi-cMYvqIgB/image.jpg



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地下鉄は最低区間運賃が200円。

「仙台、地下鉄たけえよ!」と都市圏の方からかねてからボコボコに言われている仙台だけれども
そこらへんはやはり勘弁願いますって感じですが高いもんは高いもんですね。



それでも、バスで行くと180円かかるような区間が200円ってのはでかい。

たとえば、ぼくが大変お世話になり足を向けて寝ることができない東北大学川内キャンパスとかね。



で、我が母校の川内駅に到着しまして。

IMG_4868

川内キャンパスってのは、1年生および文系学部生が使うキャンパスの集合点だけれども
なんと、この駅。キャンパス近くに駅が立ってるのではなくて


IMG_4869



この!キャンパスの!

中に!

駅ができている。

IMG_4870


なにそれ。


これでもう、仙台駅に10分前とかについても
接続さえ良ければ授業に間に合いますよ。
寝坊し放題ですよ。


これはですね、人をダメにする駅ですよ。


この他にも、青葉山にも東北大学の理系キャンパスがあるのですが、そこも止まりますし、
なにしろラスボスが「八木山動物公園駅」っていう「日本で最も標高が高い地下鉄駅」があります。
もはや駅のそばに北極到達の旗でも立てようかっていうテンションです。



交通系電子マネー「イクスカ」の登場とその問題点


仙台の地下鉄は、2015年現在、Suicaは使えません。



その代わり、「icsca(イクスカ)」を使うことができます。

IMG_4858

イクスカの由来についてはこちら

そして、このイクスカが、ぼくが今回東西線で注目する点です。



このイクスカ、何がすごいってそのポイント還元率

こちらを見てもらえば分かるけれども、


http://www.kotsu.city.sendai.jp/images/icsca/icsca_profit02.jpg

仙台市交通局 icscaのポイントより


最大でポイント還元率が25%。
200円の区間に乗ると、50円返ってくる。なにそれすごい。


このポイント還元率は、他の都市の交通系電子マネーから比べると破格。
他の地域のSuicaICOCAは、200円で1ポイント程度の、還元率0.5%


乗れば乗るほどに、ポイントとして返ってきやすくなるから、乗っただけトク。



これがSuicaと連携したらすごいよね
って思うのだけど、それについては心配ご無用です。

平成28年(2016年)の春から、ですが
仙台のエリアに限ってはSuicaとも連携します。

地下鉄・バス・電車がイクスカとSuicaのどちらでも乗ることができようになるんですね。


だから、
今だとイクスカとSuicaを一緒の財布やパスケースに入れると改札でエラーが出るんですが


IMG_4885


どちらかだけで対応できるならば、どっちかだけを財布に入れておけば、エラーが出ない。
しかも、カードもひとつで十分。
(ポイント還元率を考えるなら、イクスカとSuica、どちらを使うか迷うところですが)





課題は多い。けど、イクスカを仙台の「通貨」にすればいい

予定しなかった状況たち

しかし、やはり課題もあります。


そもそも、30年以上もかけてきた構想。

構想当時と状況は大きく変わっています。

まず利用者数。そして震災。


そもそも「採算合うのか?」という議論が構想当時から行われてきて。
そしてそれは今でもされている。


見込みの乗客者数も、当時の世の中が人口増の流れから今では人口減へと変わっている。
そういうこともあり、見込み利用者を
13万2000人(98年)
13万人(02年)
11万9000人(03年)
8万人(12年)
となっている。

<仙台東西線>市民の足フル活用 官民連携を | 河北新報オンラインニュース


単純に考えれば、売り上げは減る。


そして震災が起きたということ。

東西線荒井駅付近には、構想では予定していなかった移住者のまちをつくる予定も。

<仙台東西線>市民の足フル活用 官民連携を | 河北新報オンラインニュース


こういう当時は想定しなかった問題と新しい状況が生まれているんです。


けど。

こっからだと思うんです。課題があるなら解決すればいい。


利用者が減ってもやれることはある


利用者の数が減って利用額が減るなら、
利用者一人当たりの利用額が増えればいい

10人×1,000円=10,000円
ではなく
5人×2,000円=10,000円
を目指す。

ブログの話で言うならば
読者が少ないなら、一人当たりの読む記事数を増やしてPVを増やせばいいだけの話。

そういうまちづくりをする。


そしてそれを打開するのも、ぼくはイクスカだと思うんです。

たとえばSuica
今やSuicaは単なる交通系電子マネーではなく。
駅というエリアにおける「通貨」です。

駅のほとんどの施設でSuicaが使える。
最近だとどこのドトールでもSuicaが使えるようになりました。

使えば使っただけ、Suicaでトクをする。


イクスカも、Suicaと同様に、仙台市の「通貨」だと考えればいい


沿線沿いのお店でイクスカ割引をするとか、
そういうことを仙台全体でしかければいい。


たとえば、「青葉通一番町駅」を出ると、アーケードにがっつり出ます。

そこでは、アーケード内でマルシェをやってるんですね。

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目に飛び込んできて無視できないんです。
この日はカレーの出店があるんですけど、もうカレーがぼくを見てくるんですね。
こういうところでイクスカがトクになるようにする。


けれども、今のところ
駅の中にある、自販機も、ロッカーも、公衆電話も、
Suica・イクスカが使えません。

IMG_4865

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これじゃイクスカのメリットをそれほど感じない。




30年前には想定していなかったネガティブな状況も起きましたが
30年前には想定しなかったポジティブな電子マネー時代も訪れています。


こういうことをうまく使っていけば、採算なんてなんとでもなると思んですね。







勝負はこれから


あれこれと問題点もあげてきたけれど。

まだまだ序盤、
これから課題として解決に向かうのだろうし、
ぼくも仙台に参加するものとして解決をしていきたい。
そう思います。


カギとしては、行政だけではなくて、民間や市民活動が関わることで、
仙台全体としてこの背骨を中心としたまちづくりをする必要があるように思うのです。


たとえば、地下鉄駅ができたエリアには買い物する場所や薬局や学習塾が必要だろうし
大学近辺の駅には道案内が必要な人も出てくる。

それに、せっかくキャンパス内に駅ができたのだから、
学生たちが、駅に訪れた人に習ったことを伝える機会を作ってもおもしろい。


こうやって、「与えられたもの」ではなくて「楽しむもの」として、
じぶんたちの都市の背骨を見てみれば、楽しむ余地は十分にある。


今回、地下鉄東西線が開始されるにあたって、
仙台市が打ち出したのは、「市民参加の地下鉄」。
けれども、そこまで市民参加としての大きな巻き込みがあった実感はありませんでした。


ただ、
ぼくは間近で頑張っている人がいるのをずっと見てきたので、
この方たちには無批判に本当に感謝と賛辞の拍手を贈らせていただきたいんです。


だから、これからだと思います。
市民参加も。
だから、ぼくも楽しんで頑張っていきたいです。



震災がある程度おちついた仙台だからといって、
何もやることがなくなったわけではなく、
新しいことをすれば必ず課題は出るのだから、
楽しみながらその課題を解決するチャレンジをしたいな、と。


ぼくもこのチャンスに地下鉄を乗りながらあれやこれやと考えています。



とりあえず、まずはおめでとうございます。そしてこれから楽しみましょう。

仙台外の人、ぜひ仙台に遊びに来てください。

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人生を、かっぽしよう
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