人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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彼女に「タバコをやめて」と言わないであげてほしい

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「ぜったい彼女に『タバコやめて』って言うタイプでしょ」
というある冬に言われたことばを思い出す。


この寒い時期に、タバコを吸っているとよけいに思い出す。



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ずっっと彼女がタバコを吸うのが許せなかった。



そういう男性は多い。


じぶんは吸うけれども、彼女には吸わないで欲しかったり、吸われると嫌な顔で見る人もいる。

そしてそれがぼくだ。


じぶんが吸わなかったときも、吸うときも、あんまり気分が良いものとは感じていなかった。

なぜ嫌なのかじぶんではあまりわかっていなかった。それは今も分かっていないのだけど。


「ぜったい彼女に『タバコやめて』って言うタイプでしょ」
という言葉は、女性の友だちに言われた一言だった。

飲んでる時に言われたのだけど
そこまでタバコの話題を出したわけでもないのに、どこかでそう感じ取ったんだろうな。
そしてそれはものの見事に当たっているのであった。


ぼくはかつて付き合う女性がタバコを吸うのがものすごく嫌だった。
両親共々ヘビースモーカーだったしそれがイヤってこともなかったのに。


一度車の中で「タバコさ、やめようよ」って言ったらその後のデートが恐ろしいほど険悪になっているのが分かれて、それっきり合わなくなってしまったのは、今でもしこりみたいな感じで覚えている。

それ以外にもタバコと女性の思い出は数限りなくあるけど、こういう感じでどうにもタバコを吸う彼女は止めたくなる。



彼女に「タバコをやめて」と言わないであげてほしい、と女友達は言った。あれすごいイヤ、と。



そのときに一緒に聞いた話は
ある男性が太っている彼女にまた食ってる、食うなよと禁止したら気持ちが崩壊してしまったということ。

食いたくて食ってるわけではなくて、ある気持ちを解消しようとしているんだよね、それがたまたま食べ物だったんだよ、と彼女はまるでぼくの行動がだれかの気持ちを崩壊させかねないと脅すように言ってきた。
そのときの彼女の顔はマジで怖かった。人を食い殺すような目をしてた。反論しちゃいけないとぼくは動物のカンを働かせた。



ぼくの親父はぼくが浪人生の時から糖尿病で。

あんまり食べ過ぎちゃいけない。
けど、食べるな、なんて無理な話だ。お腹も減る。
けど、できれば食べないでほしい。お酒も飲まないでほしい。

そう思っていた。

だから食べ過ぎているときは「ちょっと食べ過ぎじゃない?」と逐一言っていた。
そうすると親父は「あん?そんな食ってねえよ」と言い返した。
そんなやり取りばかりを繰り返していた。



禁止しても、結果的にまた別の習慣に行き着くだけだから、と女友達は説明してくれた。
こっちの事情も考えてほしいよちょっとは、と。

「タバコ好きじゃない」って言われるなら分かる。そしたらちょっと考える。だって嫌われたくないから。
けど、やめてって命令されると反抗心しか出ない。あんたの理想像のためにいきてるわけじゃないからって思うから。



「理想」って言葉に深く傷つく。


ぼくは彼女にじぶんの理想ばかりを押し付けようとしていたのかもしれない。
健康だとか不健康だとか、そういうことではなく。

相手のためを思うフリでもして、じぶんの彼女なら、みたいなことで考えていたんだろうなあ。



禁止するルールをつくるのは、簡単だと思った。

「ダメ」「禁止」なんていうふうにぽいっとルールを作ってしまうのは目の前にいる人間ができる。
医者みたいに今日あった人間でもできる。

けれど、目の前にいる人間はコミュニケーションができる。
ゆっくり時間をかけて、その人の好きなこととか嫌いなこととかストレスとか、
そういうことを分かった上で違う何かを一緒に考えていける。

タバコがダメなら、タバコじゃない何かを一緒に探させることもできるし、タバコじゃない何かに楽しみを持ってもらう時間を作ることもできる。


コミュニケーションの力とは、そういうことなんだろうなあ。




「ダメって言うのは恋人じゃなくても言えるよ。一緒に考えていけるのが彼氏の役割でしょ。だって一緒にいるんだよ?」



じぶんが何となく譲れない価値観って、
相手にどうやって伝えて、どうやってじぶんに合わせてもらえばいいんだろうか。


冬の日、かじかみながらタバコを吸うと思い出す、記憶。


人生を、かっぽしよう

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