マイペースな彼女が彼と付き合う決め手になった食事マナー「最後の3口」【恋愛と食事】
付き合って欲しいと彼から言われたとき、彼女は一言返事だった。
優しい人だと言うことを知っていた。
自分のペースに合わせてくれる人だと言うことを知っていた。
彼がいつも「最後の3口」残してくれていることを知っていた。
彼女は自分が他人よりもマイペースだ。
と、自分で言う。
「マイペース」と言えば聞こえはいいものの、彼女自身は「マイペース」を「他人よりも遅い」と思っていた。
確かに失礼を承知で言うのであれば遅い。
お店での注文をするときも遅い。
何か作業をするときも遅いし、
理解するのも遅い。
だから他人にできるだけ合わせられるところは合わせようと思って生きてきたと言う。
それが多少無理をしていると分かっていても、だ。
そんな「遅い」彼女が、彼と出会ったのは大学のときだ。
仲が良くなり、次第に一緒にごはんを食べるようになった。
何度か一緒にごはんを食べるときに、彼女が気づいたことがあった。
それは、彼が食事のときに最後の3口ほどを皿の上に乗せていることだ。
彼女は誰かと一緒に食べるのが得意ではないのは、みんなよりも明らかに食べるペースが遅いからだった。
かと言ってそれを本当に仲のいい人以外に言うことはなく、頑張って周りのペースに合わせて食べていた。
周りは会話を楽しんでいて、自分も楽しむふりをするも実際はみんなの皿の上の状況ばかりが気になり気が気ではないのが日常の食事だった。
だから余計に気づいた。
彼が自分にペースを合わせていることに。
それが他人と一緒にいるときもそうなのか、自分と一緒にいるときだけそうなのかはわからない。
けれど、明らかに最初に食べるペースとは変わって、残りわずかになるとゆっくりになったり、水を飲み始めたり、箸を止めて会話をする。
そうして、だいたい彼女と食べ終わりのペースが一緒になる。
彼女にとってこれはとても心地が良いことだった。
だから、彼のごはんの誘いは断ることはしなかった。
その「最後の3口」で彼女何も言わないけどそっと寄り添ってくれる彼の優しさを感じたらしい。
この人とならマイペースで生きていけると。
それまでは、恋愛も相手に合わせてきた。
相手が今どんなことをして欲しいのか、どんな言葉をかけて欲しいのか。
それを第一優先に生きてきた。
他人優先の恋愛の先にあったのは自分の幸せではなく、ストレスだった。
けれども、分かっているけれども作り上げてしまった癖はすぐに治るわけではなく、蟻地獄のように何度も相手優先の恋愛にはまって、ストレスを抱えることを繰り返した。
そうやって他人に追いつくことばかり無理してやってきた彼女にとって、彼の最後の3口は、ものすごい優しさに感じた。包容力に思えた。
ああ、この人は待っていてくれるんだろうなと。
恋愛だけではなくて、人間関係においても一緒に食事をとることで見えてくることはたくさんあるそうです。
特に食事のペースを合わせることは、「ミラーリング効果」と呼ばれ、一緒のペースの相手に対してだいぶ好感を持つことが心理学の研究でも分かっています。
一説には食事の仕方で夜の営みも全部丸わかりとまで言う人もいますけど。
ぼくはと言えば、待てません。
全然待てません。
すぐ食べます。
だから、ちょっと今回の彼を見習って、相手に合わせてみようかと思っています。
彼女が彼の告白に対して一言返事をしたのは、マイペースな彼女が本当に彼のことが好きだった証拠なんだと、ぼくは思います。
相手に合わせるよりも自分に合わせる恋愛のほうが幸せになれるということについて書いた記事はこちら↓
「ゲスな女」と「尽くす女」。なぜゲスなほうが幸せになれるのか【ゲスな女が、愛される。】 - 人生かっぽ —佐藤大地ブログ
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