「かまってちゃんですよね、大地さんって?」
と女友だちに言われたことがある。
え、どこが。
と返したのだけど、図星である。
しかし理由がわからぬ。
じぶんの気づかぬところでボロを出しているのかと思って、あわてる。
LINEの返信見てれば分かる。
とその人は言う。
え、どこだよ、ていうか君に何かかまってちゃん的な返信したこともないし、異性を意識した連絡したことねえよ、濡れ衣だよ、とかなんとか思う。
「LINEのですね、こっちが書いたことにひとつひとつきちんと返してくるあたりっすねー」
なんて、適当な言い方なのにきちんと人のこと見てるのかわからない態度をする。
え、そりゃあんた、やさしさでしょうよ。
やさしさとは違いますよ。
うっせえ。
なぜ返信を丁寧に返すからといってかまtれちゃんなのだ。
もういいよ、君には絶対に返信を返さん。
もうちょっと適当で良くないですか?
なんで全部返すんですか?
なんかこう、あれですよ、そこまで全部触れてほしくて書いてるわけじゃなくて、こっちとしてはなんかしら書いておきたいだけなのに、きちんと書いてくるし、しかもちょいちょい絡み方がしつこいからいやそこまで絡まなくていいのになあってよく思ってますよ。
この言葉にはこたえた。
3日間はズキズキすること請け合いの言葉であった。
それから数日間はお風呂に入っているときなど、何度もなんどもその言葉が戻ってくる。
「きちんと書いてくる」
「ちょいちょい絡み方がしつこい」
うっせえ。と何度も心のなかでもみ消した。
けど、言われてみればたしかにその傾向はあって。
たとえば
「先日はありがとう。あのあとじぶんなりに色々スッキリしました。
そう言えば、駅前に新しくできたお店美味しかったよ」
なんて連絡くると
「先日はこちらこそありがとう。スッキリした?良かった。いろいろ考えていたみたいだもんね、これからもきっと考えることあるかもしれないけど、そのときはまた話そう。
駅前の店?どこだろう。すごい気になる!」
なんて感じに。
まさにひとつひとつの話題ごとにきちんとすぎるほど返していたのは事実だった。
けど、である。
そういうじぶんの癖。
よくよく考えてみれば、こんなことを考えた。
ああ、そっか、じぶんの中で返さないと嫌われる、いやがられるって思っていたのか。
だから、一個一個返していたんだな。いちいち。
そういうことか、かまってちゃんって。
なんとなく、その人が言いたかったことが、じぶんのなかでやっと言葉になった。
それからだ、
無理して相手からのすべての話題に返すこともなくなった。
たとえば、
「先日はありがとう。あのあとじぶんなりに色々スッキリしました。
そう言えば、駅前に新しくできたお店美味しかったよ」
とか来たら、
「こちらこそ。
え、何てところ?気になる」
なんていうふうに返す。
相手が完結している話題には、いちいち触れることはない。
相手が語っていても、触れなくてもいいときがある。
ただ語りたいだけのときもある。
なのに、そこにいちいち触れなきゃいけないと思って返すのは、こっちが嫌われないようにするための保険なんだろうな。
人生をかっぽしよう
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