芸能人の不倫を楽しんでしまう
不倫一色だ。
Twitterもテレビも、週刊誌も、SNSも、不倫一色だ。
まあ、いつものことだ。
ただ、最近はそういうニュースで楽しみ方が変わった。
不倫当事者のSNSのアカウントを覗き込み、最近の投稿をくまなくチェックして、以前からそういう動きをしていなかったか、被害者を愚弄した投稿をしている日にはそのコメント欄に「人として終わってる」とか書き込んで、ご丁寧にスクショして、今度はTwitterに転載したりして、1粒で2度美味しいみたいな楽しみ方をしている。
それ話してどうなんの?
そういう友人の言葉を思い出す。
大学生の頃、議論大好きだったぼくは、ディスカッションクラブみたいなのを自分でつくっていた。
議題にたしか、誰か芸能人の不倫を出したことがあった。
いざスタートして3分くらいしたときに、ユーモアはあるけれどもいつも歯に衣着せぬ友人がそう言ったのだ。
その瞬間ぼくはムッとしたわけだが、それからしばらくその言葉を反芻し続けて思った。
世の中は何も変わらない。
議論すればひとりひとりの行動の選択は変わる。とぼくは今でも考えている。
ただし、それは
一番は自分がその決定に関わっているとき。
次にその決定に関わる可能性があるとき。
だから、政治の汚職の問題とそれで毎回SNSがあーたこーだとするときはあって、ぼくはなんだかうんざりする時もあるけれども、あれはあれで大事だとは思っている。
なぜかって、次の選挙で自分の一票という意思決定がその人をどうするか関わってくるから。
話がちょっと逸れ過ぎたけれど、
一番話していて意味のないことは、自分が議論しても決定に関わらないとき。
どれだけ議論したって、その人たちが別れるだのやり直すだの、そんなことは関われるはずがない。自分を親族か何かと勘違いしないようにしたい。
たしかにそれを話していれば、ちょっとした時間つぶしにはなるだろうと思う。
1人で行ったバーで、隣に座った美しい女性とお近づきになりたいと思った時に「あの話、どう思いますか?」という話題のひとつになるかなとは思う。病院の待合室でおばあちゃんが「今日は天気がいいねえ」と見ず知らずのぼくに語りかけてくるための話題みたいなものだ。ちなみにぼく病院でおばあちゃんにめっちゃ話しかけられる。
けど、ぼくは1人でバーに行かないし、美しい女性が隣に座ることもない。
ぼくはそういうニュースを、上腕三頭筋の発達が弱いことに課題を持って調べようとした際のGoogleのトップニュースに「あなたの興味のあること」としてご丁寧に出してきたところで見る。どうして興味あると思ったんだGoogleさんよ。
おかげで、ぼくはあやうく大切な上腕三頭筋のことを忘れそうになる。勘弁して欲しい。
そしてときには誰かにLINEしようとしたトップニュースで見る
気づけばLINEニュースに飛んでいる。
どんどん派生記事を読んで、
ちょっとした怒りをツイートして
気づけば、あれ、何をLINEしようとしてたんだっけ。と忘れる
遠く関われない芸能人を優先する。身近に関われる友人を忘れる。
自分の人生を忘れて、誰かの人生を消費する。
そうしてる間に東京オリンピックなんか終わってる。
そんな風には生きたくはないなあ。
人生を、かっぽしよう