電車の中で「ふっ」と気が抜ける。
緑真っ盛りになった田んぼが駆け抜けていく中。
「来年の夏は何をしているのだろうなぁ」
電車の中は、自分なりには次回以降のブログのネタを考える時間としているのだけれど、
それでも知らず知らずのうちに窓の外に目をやって、来年のことを考えてしまっている。
浪人生の頃からだったか、
夏休みになると、来年の夏休みのことを思うようになり。
浪人生のころにどうしてそんなこと思うのかといえば、
その窮屈な環境の中で、来年の夏は「希望」だから。
全体的に照明が暗いなかで、
「来年の夏は、ぼくも大学生として、遊べてるよな」
という希望的観測。
シャワシャワという夏の音が緑のなかで聞こえて、
その元気の良い夏と自分の気持ちとの間にずいぶんギャップを抱えていて。
「来年の夏になれば、こんな今の状況なんて、あっけらかんとして笑ってるよ」
よくよく考えれば
当たり前の話と言えば当たり前の話だったのだけれども、
大学に入ったからと言って、それほど日々が黄金色になることもなく。
変わったことと言えば、勉強に追われる日々ではなくなったことと、たまに飲み会があること。
それで、思ってた。
「来年の夏は、何してるかな、自分」と。
「今とは、違うかな」
と。
少し不安で、寂しい気持ちを抱えながら。
今でも、夏の真っ盛りには、思う。
「来年の夏は、何してるだろう」
いつだって、「来年の夏」に思うのは、「今ここにない足りないもの」で。
それでも、そうやって想いを馳せるときに、
馳せる先にあるのは、今欲しくて、今足りないもの。
そのとき同時に見えてくるのは、足りない存在としての現在の自分。
そして、現在がちょっと味気なくなったりする。
昔はそうやって寂しさを感じてた。
けど、今は違う。
今はずいぶんと、何もないように見える毎日にも幸福を感じられるようになった。
だから
「来年の夏も幸せでいろよ」
ちょっと上から目線で来年夏のぼくにちょっかいを出すのです。
人生を、かっぽしよう
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