仕事の大切さをたかが封筒づめで教えられた。
「佐藤、全ての仕事に意味を持たせろ」
今日、作業をしていたときに封筒を使っていたときのこと。
中に入れる資料を4つ折りにして入れるときに
そんな言葉が頭の中をこだました。
バイトのときに一番お世話になった課長から言われた言葉だった。
職場で封筒詰めの作業をしたことがあって
一段落をしたときに、課長が封筒の中身を見て
「佐藤はこの封筒の中身を、あけてくれるときのことを考えてやったか?」
と言われた。
「え、どういうことですか?」
「封筒を見たら、何の資料なのか分かるように、封を開ける側の一番上に
資料名が出ているように折るとか、そういうことは考えたか?」
「いや、考えてませんでした」
「佐藤、全ての仕事に意味を持たせろ。
気を抜くな。1ミリでも良い仕事ができるなら妥協するな」
そのやり方が正解かどうかは置いておくとして
その姿勢は僕がそれ以降大事にすることだった。
例えば
他の課の人たちが倉庫を見に来たときに
少しでも早く自分の欲しい資料や物資が手に入るようにするとか
使った資料とそうではない資料は一目見て分かるようにするとか
そうやって1秒仕事を速くしてあげれば
良いサービスが1秒速く顧客に届く。
思うに、僕の仕事は地味まみれだった。
ベンチャーや大企業でインターンとか
そういう聞くからに華々しいものではなかった。
ただここで良かったと思っている。
ここはつまらないことだらけだった。
業務は日常的、ルーティーンをこなす。
やることなんて事務仕事。
けど、そのつまらなさを楽しさに変えられないならば
どこに行っても同じことだろうと思った。
退屈に風穴をあけるのは1ミリの妥協のなさ。
そんなことを思い出させてくれた封筒だった