改札で緊張するわけ
改札口が止まるのを見るとほんとに辛い。
周りが明らかに迷惑そうな顔をして、
動かなくなった改札口をよけて
別に移る。
今日もそうだった。
チケットをもう一度通してもまた同じことの繰り返し。
すいません、すいません
とその人が頭を下げて改札から戻る。
冷たい視線ばっかり刺さるのがよく分かる。
「この人悪くないんですっ!」
「どうか許してあげてちょうだいっ!」
ってなんかすごいかばってあげたくなるんです。
なんでおばさま口調なのかは置いといて。
よく駅は身体みたいだと思って。
人が血液みたいにこっちで流れ、あっちで流れ、みたいに。
急かす世の中。
急かされる世の中。
遅いと取り残される世の中。
遅いと迷惑をかける世の中。
そんな世の中が改札口を通って行って。
そこから通った人が世の中を作って行って。
たまに、全ての改札口でトラブルを起こしたら
世の中はどうなってしまうんだろうとか
意地の悪いことを考えるけど、
そしたらぼくは袋だたきにでもあうんでしょうね。
だから何気にぼくは改札口が慣れないのです。どきどき。