「怒んないでよ!」と相手が怒ると怒り返してしまう
「怒んないでよ!」と言ってよく怒っていたことを思い出す。
「なあ、なんで怒ってんだよ?」
という声が聞こえて来る。マクドナルドの午後5時30分。
もそもそとチキンクリスプの包みをあけて食べているとき。
「べつに怒ってないし」
「怒ってんじゃん」
そういうやりとりは、この時間、街中にいるとけっこう目にする。
内容はよくわからないけど、高校生カップルがもめている。
彼女が最初に怒って、それに反応した彼氏が怒り返している。
あーあー若い若い。
とは思えない。
他人事じゃない。
いくら年をとっても、こういうこと続いてくから。
つまり、相手が怒ってるのに対して、じぶんが怒り出すこと。
けどこうして怒ってしまうのは、大切なものをつなぎ合わせようと必死だからなんだと、思うんです。
だって人間だもの
できるならば、みんな笑っていてほしい。
多くの人がそう思ってるだろうし、ぼくもそう思っていて。
ただ、笑ってばかりもいられない。だって人間だもの。
相手が誰であれ、
目の前の人が嫌なことしてきたらイラっとするのは人の常。
それが態度に出ちゃうのも人の常。
それを抑えようとするのは、むしろ体に毒だと思っているのです。
「イライラしても、笑っていれば元気になりますよ」
っていう気分コントロール方法をよく聞くけれども、
ぼくは逆。
イラッとしたら怒ればいいんだと思う。
毒は出さないとって思う。
もちろん、TPOは選びますけど。
ただ、相手が怒ったとき。
相手がじぶんに対して怒ってしまうとき、
なぜだか、じぶんも怒り返してしまう。
「ねえ、怒んないでよ!」
「なんで怒ってんだよ!」
「言いたいことあれば言えばいいじゃん!」
ってな感じで。
とくに、大切な、大切な人になるほどこれがひどくなる。
怒りを、怒りでおさめようとしてしまうんです。
ぼくもものすごい、恋人に怒り返したりして、ご迷惑をおかけしました。
怒っていた両親が離婚した
Chili pepper / hepp
両親が家の中で怒ってばかりいた人が
恋人が怒るのを見て、
「なんでそんなに怒るの、やめてよ!」
と、つい怒り返してしまうという話を聞いたことがあって。
その人の両親は、その人が中学生のときに離婚したといいます。
一度、恋人が怒ったときに、その人はついに泣き出してしまって。
どうしてじぶんは怒っている人が目の前にいると怒り返してしまうのかを、記憶をたどってみたら、
いつも怒っていた両親が別れてしまったことがトラウマだったのだと気づいたと言います。
あのとき、家の中での、台所のリビングの嫌な空気。
それはハッキリと覚えていたと。
そのひとは
大切な人が怒っていると、じぶんの目の前からいなくなってしまうことと結びついていたんです。
ただ、こういうふうにじぶんのことが分かってから、
少しずつ楽になって、怒っている人を目の前にしても、
ちょっとくらいは「大丈夫」と思えるようになったそうです。
怒りも含めて関係にできたらいい
この人の経験は、何もこの人にだけ当てはまるものではないと思うのです。
誰かが怒るのを見ると
ぼくらは何かが壊れる感覚がして。
何かが目の前から消え去ってしまう感覚に襲われる。
だから、
必死でつなぎ止めようとした結果が、「怒り返す」ということで。
必死だから、怒る。
けれども、
怒った相手に怒り返すと、よけいに怒ってしまって、
それこそ、別れを呼ぶことになってしまう。
だから、ゆっくりと「どうした?」って聞いてみることで
怒っている相手も相手だよ、べつに異常なことではないよ、相手が喜ぶのと同じだよ、
と、受け入れていく必要があるんだと思うのです。
怒りもひっくるめてじぶんと相手との関係のなかに入れていけば、
怒りは、何かをひきさく原因にはならなくなってくる。
***
人は怒るもの。
けど怒りも含めて、相手との関係。
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