人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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時は金ならず

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僕は不況の申し子だった。


できるだけ安く済ませよう。
お金がたまったらたくさん贅沢しよう。

僕はそう思っていた。


「時は金なり」
という言葉がある。

英語で言えば
「Time is money」

時間=お金
という考え方だ。

この言葉の理解をしていなかったことに気付く。



ものスゴイ贅沢をする人がいた。

すぐにタクシーを使う人。

あんまり使いすぎるのはどうかと思うけれども

あるいたらものの15分くらいでしょ。
というところで簡単にタクシーに乗ってしまう。

あり得ない。
僕にはそうとしか思えなかった。


ただそんなときに



Time is life



という言葉を聞いた。



時は人生なり



どういうことかと言えば

時間を大切にするということは人生を大事にすると言うこと。
つまりそれは自分の人生の中での幸せを大事にすること

だという。


お金はその幸せを濃くするための手段でしかない。

と。



もうちょっと頑張ったらにしよう
と思って、ちょっと手をのばせば買えるものでも
お金のために遠慮してしまう。


こういうとき、
人生における幸せよりも
手段としてのお金を大切にしている。

そうなってくると
自分にとって大切な人を幸せにするためのものも
もうちょっと頑張ったらにしよう
と考え始める。

今日、あいつ頑張ったから
ケーキでも買って行こうか。

そう思っても
ショーケースで小難しい顔をして
プイッと離れてしまう。


あのときこうしていれば
と思ってもお金じゃ時間は戻らない。


時間こそ大事にすべき
さらには
時間の中で得られる幸せこそ大事にすべきで

お金と言うのは
その幸せや幸せを得るための時間を得るための
単なる手段にすぎない。


そんなことに気付いた時

ああ、だから自分はエゴイストから抜けられないのだと思った。



そこから
少しずつ色んな事に挑戦してみた。


今日久しぶりに会う人のために
コンビニでちょっとお菓子でも買って行こうか。

そんなことを考えて
今までは出し渋るのが当たり前だった数百円を
コンビニで支払った。

ついでにあの人の好きだと言っていた
缶コーヒーも一緒に買った。


ええ!ありがとうございます!


あり得ないくらい喜んでくれた。

え、だってたかが数百円だよ?
僕はびっくりした。


それが嬉しくて、
また差し入れを買ったり
誕生日プレゼントなんて買いもしなかったのに買ってみたり

段々と
ちょっとした記念の日に
一緒に祝いたくて買うようになった。


そうしていくと
何だかお金と言うものが
すごく幸せなものに見えてきた。



J・ロックという哲学者がいた。

この世のものは神の創ったものであるから、
無駄にして腐らせてはいけない

と述べた。


リンゴを腐らせてはいけない。

だから、独り占めしてはいけない。
独り占めすると、結局使わないで無駄に腐らせてしまうからだ。


もったいない
という価値観はここから来ているようにも感じられる。


そして、無駄に腐らせてはいけないと言う価値観が

例えば
自分がりんごを余計に作った際に
「どうぞ〜」と
食べきれない分を必要としている花子ちゃんにあげ
今度は
花子ちゃんが自分が小麦を必要としている際に
余分で無駄になってしまいそうな小麦を提供してくれる。

こうやって
神の創ったものを無駄に腐らせてはいけない
という価値観が善意を回し、お互いを生かす。


けれども、ここに腐らないものが入って来る。


お金だ。


余計に作ったものであれば
基本的にいつでもどこでも使えるお金と交換になる。

お金はいくら持っていても腐らない。

だったら他の人にあげるなんてもったいない。

こうやって
僕や花子ちゃんは無駄に腐らせてはいけないリンゴや小麦を
一度腐らないお金に変えて
いつでも使える形にしてしまう。

それによって近くの人を生かすことを辞める。


けどそれで僕や花子ちゃんは
大事なものも一緒に失ってしまったんじゃないか。



世の中での自分の意味



時は金なり
という言葉が
金ばかり何かの証明として集めていく人間を生む。


それは
自分の人生が
どんどん小さくなっていくこと
を示してはいないかな。



リンゴにかぶりついた時の
あの感動。
あの時間。

それを無駄にしてはいけないんじゃないですか?

そしてその感動を
他の人が味わったら
きっと幸せをおすそ分けできるから

だから腐らせて無駄にしてはいけないんじゃないですか?


神ってのがいて、話ができたなら
僕はきっとそんな話が神とできる気がする。



新幹線切符売り場で
そんなことを思った。

会いたい人と会うための1時間が欲しくて
電車で行ける場所への新幹線切符を買いながら。