空泥棒は、いない
空泥棒!
とは誰も言わないし、言えない。
空盗撮!
とも言わないし、言えない。
きれいな空を見るたび、
そんなこと思ってシャッターをきる。
きれいな、きれいな、空を見ると
次の瞬間には
ある人はカメラを握っている。
ある人は口ずさんでいる。
ある人はペンを握る。
いつの時代も空はそんな場所だよなあと。
いや、ぼくだってそんな長く生きてないすけど。
地上には、色んな泥棒がいる。
キレイだな、と思って立ち入れば
そこは不法侵入になったり
カワイイな、と思って撮れば盗撮。
歩いているだけでけんか売られることもあるし。
迷惑ですよ、ほんと。
あっち行けば利益。
こっち行けば権利。
そっち行けば法律。
ぼくらが触れられる世界には
法や権利が張り巡らされている。
そういう性格もあって
村上春樹は小説『アフターダーク』の中で
法はタコみたいなもんだって書いていた。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/16
- メディア: ペーパーバック
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けど、空は。
空を撮っても
空を唄っても
空に手をかざしても
空泥棒とは誰も言わない。
だから悩んだとき苦しいとき辛いとき
いや、それ以外のときでも何気なく
ぼくらは空を見るんだろうって思うのです。
もしも。
もしも空に人が住んだら
ぼくらは空を見なくなるのかなって
思ってしまうのですよ。
本文で紹介した書籍
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- 出版社/メーカー: 講談社
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