日曜劇場『下町ロケット』が、好きだ。
池井戸潤さんの作品は、いつ見ていても、清々しい。
それはとくにTBSの日曜劇場でドラマ化されるものが、
現代版の『水戸黄門』だからなんだと思うんですね。
『半沢直樹』
『ルーズヴェルトゲーム』
『水戸黄門』
日曜劇場の池井戸作品の特徴は、
クソ上司やクソ会社、クソ銀行、クソ社会というわかりやすい「理不尽な圧力」に対して
最初こそ、ひるんだり、してやられたりして
「ぎぎぎぎぎぎぎぎぎ」
となるのだけど、最後は大逆転劇。
今回の下町ロケットでも、帝国重工や佐山や日本クライン、大学教授、いろんな「クソ理不尽」がでてくる。
そういう人らに対して、圧倒的な論理と実力を使い、
相手が新ノ口立たずに立ち上がれないくらいまで、完膚なきままにうちのめす。
「なんか反論があるなら言ってみろ」
「ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ」
って状態になる。
で、じぶんの夢や信念を貫いて、涙。
で、見ていて、普段「クソ理不尽」になっている我々は、大変スカッとする。
ぼくもスカッとする。
そりゃもう尋常じゃなく。ロケット飛ばすとことか泣きました。
世の中でもっとクソ理不尽に苦しんでいる方はもっとスカッとしているはず。
で、これは現代の水戸黄門で。
水戸黄門でも、わかりやすい「クソ理不尽」な悪代官とかが出てきて
序盤は「あれー」ってなって
「ぎぎぎぎぎぎぎぎ」って奥歯が擦り切れちゃうほどになるのだけど
最後は、「助さん格さん」中心に完膚なきままにたたきのめす。
で、涙。
いまは暴力は正しくないし、暴力で解決する世の中じゃないから、水戸黄門ではいまいちスカッとしなくて
池井戸作品みたいなもんが流行っていく。
いや、大変スカッとします。ありがとうございます。月曜から頑張れます。
ただ、いつも見ていて余計な心配をするのですが、
これにスカッとして、「わたしも明日から倍返しだ!」って思うのはよろしくない、と。
なんでかって、テロはテロを生むからですね。
完膚なきまでに叩き潰すと、現実はその後、「気に入らない相手は完膚なきまでに叩きのめすんだ」ってのが流行して、次の瞬間じぶんがその矛先になりますよね、それこわい。
逃げ道をふさがれたネズミは、猫に噛みつくんです。
そこに和解の道はなくなる。
そこで、徳川家康方式が正しいですね。
彼は、関ヶ原の戦いで勝った後、他の大名の家を取り壊したりすることをあんまりせずに、
「外様」って言って半分死んだ状態にしたり
参勤交代で旅費に莫大な金使わせて半分死んだ状態にしたりと
半分殺すのが大変上手でした。
これに習いたいですよね、ええ。
だから、現実は、
「倍返しだ!」とかじゃなくて、
「半分殺して半分許す!」のほうが、いい世の中が築けそうです。
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