人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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アメリカよりもフランスよりも、この国は、病だ。とそのときぼくは思った

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なぜその本たちを手に取ったのか分からないけど
気持ちがどこか暗くなって、背筋に気持ち悪さが走ったのは確か。


大学一年生初日の講義が退屈すぎて途中で抜け出して
図書館に逃げ込んだ先。


今でもよく分からないのですけど
自分の興味の赴くままに手に取った本たちは
オウム真理教地下鉄サリン事件
ナチスドイツによるユダヤ人の迫害」
これらに関係するもの。

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「テロ」
「迫害」
「多数者」
「少数者」
「いじめ」
「抑圧」
「暴走」


地下鉄サリン事件
日本人でも忘れがちになる。
世界でも類を見ない宗教団体による
化学兵器を使った同時多発テロは、
アメリカでもロシアでもフランスでもなく、
自分の国で起きている。


1995年 3月
早朝の霞ヶ関近くの地下鉄のラッシュアワー
ビニール袋に液体状で入れられた神経ガス サリン
それが数カ所の駅でオウム真理教教徒によって
尖った傘でつつかれ、電車や駅に広がる。
死傷者10名以上 負傷者は6000人以上。
サリンを除去しようと近づいた駅員も犠牲になる。


人生が一変する。
朝「行ってきます」と言って
きっとその日も「ただいま」と言えるはずだった運命が一変する。
帰らぬ人になったり
大きな障害が残り会話することも、もう、ままならない。


カール・シュミットはぼくらを取り囲む「民主主義」についてこう言って。
様々な人から敵視されます。

「民主主義の本質をなすものは、第一に、同質性ということであり、第二に ー必要な場合には ー 異質的なものの排除ないし絶滅ということである」


つまり、思想や言語や肌の色など「同じ何か」を持てないなら、
民主主義というルールでは、最悪、
追い出したり、
閉じ込めたり、
殺したりする流れになる。
民主主義ってそういうもんだよ、と。


この主張は
ナチスドイツがユダヤ人を迫害することを
正しいというような発言とされて、
様々な人から敵視されるのです。

民主主義。
みんなが決めたことを、正しいこととして、従おう。
大きく言うとそういうルール。


あの日、サリンをまいた教徒たちは
そのときの
「働け」「自分を見つけろ」
社会の曲がり角に鬱屈とした何かを抱えていて
自分たちの主張を社会に大きく響かせたくて
自分たちとは違う者たちを追い出したくて
サリンをまいたように思います。


ひとつの考えを持つ「同じ者たち」が
「違う者たち」をその中から消そうとする。
ぼくにはそういう点で
地下鉄サリン事件
ユダヤ人迫害も
同じに見えました。


そして民主主義に向けられた怒りの矛先は
他でもなくぼくらに向けられる。
罪があるのか罪がないのかわからない、ぼくたちに。


平和なように見えたこの国のどっかに
そういう不安や不満がむくむくと溜まっている。
そのことを想像して、ぼくは気持ち悪さを感じました。

今日、地下鉄サリン事件の最後の裁判が始まりました。


なんとも言えないのですが
民主主義の中にいる一人として見つめたいと思います。



人生を、かっぽしよう
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