人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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成功者たちが言う「“ 誰が言うか”よりも“ 何を言うか”が大事」なんて、真実は逆

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正しいことを言っているつもりだった。けど、それじゃダメだったみたいだ。

ということを聞いて、ぼくはびっくりするわけです。
前に会ったときの彼とは、まるで違う人間になっていたから。

「誰が言うかよりも、何を言うかが大事だ」
という言葉が彼のことをずっと勇気付けていて。


だからこそ、学生時代、彼の発言はいつもナイフのように鋭く、
しかし的確に指摘すべき場所を指摘してくるのでした。
それはぼくが悩んでいるときも容赦なくつきつけてくることが多くありました。

それでも、ぼくは
彼が的確なことを言ってくれるので、
大好きというわけでもなかったけれども、それなりに頼りにしながら、
たまにお茶したり、メールしたり、飲んだりして話をしていました。



彼に久しぶりに呼び出されたのは、
彼が就職をして半年ほど経ったときのこと。



ちょうど宮城に来る用事があったので、
ちょっと飲もうかという話になり、二人で飲み屋に行きました。


ウイスキーを飲むようになった彼に驚きつつも、
彼と久しぶりに話すことが楽しく時間は過ぎて行きました。


「仕事でも、やっぱり切れ味鋭く突っ込んでんの?」


彼の仕事はコンサルティングの仕事だったので、
どんなもんなのかなあと思って聞きました。
ちょっと冷やかし、ちょっと期待する気持ちも込めて。

けど
ぼくが笑って話しかけたのと対照的に、彼は少し「うーん」と視線を落として。
だから、ああ、うまくいっていないのだと、ぼくも視線を落とす。


ホヤ
ホヤ / Koji Horaguchi



「成功者たちの意見を読んでると、いっつも出てくるんだけどさ。
 『何を言うかのほうが大事だよ』って、あの言葉なんだけど」
彼が唐突にそんな話を出す。


「うん」
「あれ、嘘だよ」
「嘘?」


「まさか、おまえからそんなこと聞くと思わなかった」
半分笑って言ったその言葉。
けど、ぼくは驚きながらも正直そんな気持ちでした。

「いや、最初はそうだと思ってた。
 だから俺もずっとそうやって生きてきたし、
 それなりに頼りにされている自負はあったんだよね」

その言葉に、ぼくは嘘じゃないと思い、うなづきながら聞く。

「けどさ、それは学生時代の話」

「そうなんだ」
学生時代の話、という言葉にちょっとだけ寂しくなる。

「そう。
 何を言うかなんて大事じゃなくて。
 どういう関係の中で言うか、だよ」

「そうなの?」

「そう。
 おれ、飲み会断ってたんだけどさ。
 先輩とかは、飲み会によく行くやつの話はよく聞いてる。
 最初はそれ考えすぎかなと思ったんだけどね。
 やっぱ、飲み会は大事っぽい」


彼は最初飲み会に行かなかった。
そしたら、どれだけ数字的に正しいことを言っても、
適当にあしらわれるとか、聞く耳を持たれないとか、
どこか自分だけ粗末な対応をされていたという。

「嫌われちゃ、おしまいだよねえ」


ぼくは何も言えず、そっか、とだけしか返せなかった。




科学的には「誰が言うか」が大事


かつおのたたき
かつおのたたき / ayustety



彼が言ったことは、科学的にもある程度正しいわけです。


仲間意識がない相手に対しては、話を全くもって聞かない。
それが大半だったりする。

書籍『影響力の武器』の中では、こういう事例がたくさん出てくるんですよね。

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか


自分に似た人間の言葉のほうが信じ込んでしまう「好意」

相手が何らかの理由で「権威がある」と思うとその言葉を信じてしまう傾向の「権威付け」

相手から何かをもらうと相手の要求を聞き入れやすくなる「返報性」



そういうのがごまんと出てくる。
こういうのを見ると、
「大切なのは何を言うか」
という言葉がとてもはかなく見えてくる。


「大切なのは何を言うかだ」
という共通のルールを持った人同士なら、きっとうまくいく。
それくらいのことだろうと思うのです。


世の中の大部分は、
「何を言うか」よりも「誰が言うか」を大切にしている
のではないかと。


偏見は人間の生きる知恵でもある。
人間は、「偏見」を使って判断することを少なくして、
自分が本当に判断したいことに集中するようにしている。


そこを踏まえないで正しいことを言う。
それがこっちから見ると筋が通っていても
相手から見るとたぶん土足で上がり込んできたようなもので、
きっと自分だったらそれがどんな理由であれ
「ふざけんな!」って言っちゃう。まずは。


だとしたら、悔しいけれど、そこに対して合わせていく必要もある。

「大丈夫ですよ、怪しいもんじゃないですよ」
そう言って信じてもらってから、話をゆっくり聞いてもらう。
そしたら
「なんだ、意外と良いこと言うじゃねえか」
そう思ってくれるかもしれない。


飲み会行っている人は信じられるという部分も、合わせていく。


自分の話を聞いてもらうのは、そこから。



 ***

tokyo
tokyo / osamukaneko


彼と飲み終わって、
「次、いつ飲めるかな」
「んーわかんないなあ」
なんて話をして、じゃあね、と別れるとき。


「仕事」と思わず言ってしまった。
どうにも彼のこぼした言葉たちが気になったから。
「負けんなよ」とやや離れた彼に言う。
理不尽かもしれない。世の中は。それでも。


「ありがと!」と手を上げて彼はその手を振る。


負けんなよ。



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