人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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モテないヤツほど主語を“私は”で始めるのよ

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「今度の子は、ほんと俺いい感じだと思うんですよ!」
年末のカフェにいたぼくの耳に、弾けるような声が入ってきた。


久しぶりにいい感じの子ができたんだ、
というのはぼくの少し近くに座っていた男子くん。



今までの楽しいやり取りをアネゴ的な感じの女性に話していた。


アネゴは、え、まじで、いいじゃん、とか
今までのLINEのやりとりを見せてもらいながら
へえ、脈ありって感じだね、うん、という上々の反応をしていた。

しかし。

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そんな
アネゴの様子が少しずつ変化してきたのは
男子くんが「どうやったら付き合えるかなあ」とか言い始めたあたり。

最初こそ、
あんまり焦んないの、とかやさしく言っていた姉さんも、
少しずつ、呆れたような、ムカついたような口調に変わっていた。

で、ついにアネゴはこう言った。


「さっきから“おれが” “おれが”って言ってばっかりだけど、
 あんたの話には“〇〇ちゃんは”って主語がぜんっぜん出てこないんだよね(笑)
 モテないやつほど主語を自分で始めんのよ」


なるほど確かにと思いながら、ぼくも本を読む。


それから
ちょっとLINE見せてみ。
と言ってアネゴが男子のスマホを見た。

「ほら、ここ。
 ごはんを誘ったけど、相手からの返信が
 『年末だから仕事片付けないと行けない日で
  残業あると思うんだ、ごめんね』
 って返ってきて
 『そっか』
 って、自分の話ばっかりじゃん。
 だったらさあ、少しは
 『仕事忙しいの?大丈夫、からだには気をつけてね』
 くらいは相手のこと気遣ってあげなさいよ。
 あんた、だからモテないんだよ?」

それを聞いた男子くんは、ぐうの音も出ないようで、
さっきの冗舌具合から一変、しんみりしてしまった。

「あんた、ヤリモク(ヤりたいだけが目的)なの?」
 
アネゴが突っ込むと

「いや、違います違います」
と男子くんがすぐさま否定する。

「だったら、もう少し、相手のこと考えてあげるの。
 相手のことから話をスタートさせなさい?」

男子くんは納得がいったようで、
そこからは、二人で次のデートの作戦を考えていた。





だいたいの人間は、話を「私は」でスタートしてしまう。


「私は今日楽しかった」
「私は辛かった」
「私は寂しかった」
「私はこれをしたい」
「私はこれをしたくない」

それはえてして「相手への気遣いの無さ」につながるわけで。

それは例えば
相手と自分の予定が合わないとか
相手が何となくテンション低くて話を聞いてくれないとか
そういう、相手の反応が自分の求めたいたものをくれないとき
ぼくらは相手の気持ちよりも
自分の気持ちや要求が通らないことにばかり目がいって、がっかりする。
相手は自分をないがしろにされた気がする。
だから相手から好感を持たれない。
だからモテないんじゃないかなって。



「私は」を言う前に
「あなたは」を言える人でありたい。

「あなた」が大切な人であればあるほど、
その「あなたは」の次に「私は」があったら、いい感じなんじゃないかなって。


そういうことですか、アネゴ。


人生を、かっぽしよう。