人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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友達になってくれますか?

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「友達になってくれますか?」

と、友達をつくるために言ったことが、今までに一度たりともない。
少なくとも、物心ついてからは、ない。

他人が友達と呼んでいいのはいつからだろうか。
もっと言えば他人が家族と呼べるのはいつからだろうか。

https://www.evernote.com/l/ACb3dT6e0rtGZpZfT81XnCp8TZYWgaw_7p4B/image.jpg

結婚する一番の理由は財産分与をするため。
とか、30過ぎても言っているぼくは、そこらへんを考える上で何か大切にしておかなければいけないものをすっぱり切り落としてしまっていることはわかっている。
だから余計に、あんまりそんな線引きを考えたことがない。

「いつから友達なのか」
辞書を引いても、たぶん未来永劫そんなことは書いていないのだろう。
と思う。

どうなんだろうか。
これから先は、ネット社会が発展していくから
もっと家族とか、友人とか、わかりやすくなるんだろうか。

「信用スコア」
一説によれば、個人の病歴とか、健康状態とか、学校での成績とか、交通違反歴とか、犯罪歴とか、
そういう人生の経験を全部スコア化してビッグデータにする未来が来るという。
そうすることで、たとえばこの人にお金を貸すことができるのか、クレジットカード作ってもいいのか、生命保険に加入できるのか、などなど一目でわかりやすく管理しやすい世の中になるなんてこともあるらしい。

どうだろう。
そういう流れの中で、Facebookみたいに
わかりやすく、僕と君は友達だよと言える証明みたいなのができるようになって、「友達割引」みたいなことをどこぞのケータイ会社がやり始めたりするんだろうか。

どこから友達なのか。
もともと友達と呼べる存在が少ないぼくにとっては、それはどれだけ考えても難しい問題です。

「子どもは素直だよ。
 『友達になって』って言えばなれんだから。
 うちの子が奥さんに『ママ、友達になってって言った?』
 って言っててね。
 そんなに簡単に言えればいいのにね」

「言えないですね(笑)我々は」

いつぞやの飲み会の席で、お子さんをお持ちの先輩がそんなことを言っていた。

なりませんか?はい、なりましょう!
で済むのであれば、友達100人だってすぐにできるさ。


先日地元の宮城に久々に戻った。
長期休暇を取ったからだ。

いつ取ろうか。と考えているときちょうど
誕生会に来てくれませんか?とTwitterで招待にあずかった。


その人は、東日本大震災の後に復興の関わりの中で出会った人で。
お互いに学生で、素性も知らない中で飲んで騒いで、なんとなくFacebookやらTwitterでつながった。

その後、ぼくがゲストハウスでイベントをやるときに、ちょうどその人を呼ぶ流れになって。
そのときはゲストハウスなんてなんですかそれみたいなその人は、
気づけばぼくが宮城を離れてからその場所に居座ってるようになっていた。
ぼくはそれをFacebookで傍観していた。

人と人のつながりというのは、不思議なものだなと、思っていた。

そんな知人から誕生会のお誘いを受けたので
そこらへんで休みを取ろうかなと考えていたものだから、
ちょうど休みが合うなあ
だから、行ってみようかなと思った。
なんだかんだで思い返せばそれが決め手だったのだろうと思う。長期休暇取得の。

「一年に一回くらいは親に顔見せないといけないので」
とか何とか周りに親孝行ぶってちらほら言いながら、最後の決断が知り合いの誕生会って笑ってしまう。


誕生日会当日。

ゲストハウスはもはやどう入っていいのか分からないシステムで、管理人の友人に電話して、チャイム鳴らせばいいよとか言われ、見るからにアホなやり取りを経て入室し、呼んでくれば友人と面会すると、嬉しさのあまり膝から崩れ落ちる始末に、

え、やりすぎやりすぎ。オーバーオーバー。
とか思いながら、こんなにウエルカムされるとさすがに嬉しくもなり。

10人以上参加する中で、ぼくが知っている人は呼んでくれた友人と管理人しかおらず
友人が、大地さんはこーであーでと説明してもらう姿に、ああ、かつての友人もこんな緊張感だったんだと気付いた。

ごはんを食べながら、わいわいがやがや話し、なぜか分からないけどぼくが作った鶏のからあげが絶賛され、そうやって少しずつ、少しずつ仲良くなっていく感覚が会社員になって以来久しぶりすぎて、なんともむず痒かった。

けれどもなんだかんがで
深夜2時過ぎまで語り、そこから車で高速のパーキングエリアで一眠りして実家に帰った。

午前いっぱい一眠りし、まどろみながら起きた12時前くらいに
昨日初めて会った人からのFacebookの友人申請と、タグづけされた誕生会のインスタの投稿を見ながら、ぼくはTwitterに昨日の鶏の唐揚げの感想を書く。


「友達になってくれますか?」
と、ぼくは言える自信がない。たぶんこれからも。ない。

久しく会ってない知人に
「もう一度友達をやってもらっていいですか?」
なんてことも、たぶん言えないし、言わない。

不器用だ。

けど、そういう不器用な大人にとって、SNSはすごくいい。
とてもいい時代です。




人生を、かっぽしよう

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