世の中を止める指
昔さ、これが何とも不思議でさ、楽しかったのだけども。
押しボタン式信号ってのがあるじゃないすか。
ボタンを押して初めて信号が赤に切り替わるという。
それを今日押して、久しぶりにその感覚を思い出したんですけど
あれを押すのがすごく楽しかったんですよ。
コツがあるんです。
だあれもいない時に信号を押しても面白くないから、
車がバンバン通るタイミングを狙って、わざとボタンを押すんですよ。
田舎なんで、横断歩道を渡るのがぼく以外にはいなくて。
だから、何台もの車が、ぼくのために止まるんですよ。
その瞬間、何やら自分が偉くなった気がして。
ぼくが渡った後、振り返ると、誰もいない。
誰もいないのに、自動車たちは止まっている。
その姿が何とも滑稽で。
いや、きっと中の人でカリカリしている人もいると思うんですけど。
ぼくのために、世の中止まるんだなあと。
それが楽しくって、不思議で。
青信号なのにわざと渡らないで、自分の手で赤信号にしたがったなあと。
そういうの、みんな無いかなぁ。
大きくなった今日も、振り返ったらニヤッとしてる自分がいるあたり、どうも変わってないようです。
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