後輩の成長を考える上で「後輩観察日記」をつけたらめちゃくちゃ良かった
後輩に成長してもらうために、後輩に求めすぎてつぶれてしまわないために
「後輩観察日記」をつけるのは、今やぼくにとっては当たり前のこと。
それは、バイト先のパートさんとの掛け合いから生まれたものでした。
後輩に早く成長してほしいばかりに、
一気に色んなことを求めすぎていたぼくでしたが、
上司のことばで、「自転車をこぐように」後輩を指導しようと考え始めました。
人間、何かに取り組むときにはひとつずつしか意識できないわけで
そりゃ足りない部分やできない部分はたくさんあるだろうけど
それらを一気に意識したら自転車で言うところの、ブレーキもバランスも顔を上げることも、慣れないこと全部に意識を向けないといけなくなる。
ただ、いかんせん、
「じゃあ具体的にこうしていこう」ということは、頭がフワフワして思い浮かばない。
いつ、誰に、どんなことを求めて、ちょうど良いタイミングにすればいいのかがわからない。
しかも、後輩も今やかなり増えて、10名を超えた。
チームでこなすべき仕事をこなしつつも、
彼らにあまりにも負荷がオーバーして、ぺちゃんとつぶれるようなことはあってはいかん。
シフト表にずらっと並んだ彼らの名前を見て
「わかんねえ」
意気消沈していました。
パートさんとの定例ミーティングがヒントに
薑汁燒香草豬, 花家食堂, 花家食堂 food & tea, 台北 / bryan...
その当時、課の女性パートさんと定期ミーティングを行っていました。
課の仕事をバイトのチームはどれだけ順調に進めているのか、トラブルはないか、抜け漏れはないか、そういうことを考えるミーティング。
「いや、もう最近後輩のことがよくわかんないです」
自分の頭がフワフワした状態だったのもあって、
仕事の進捗、これからどんなふうに仕事振っていこうか、と問われたのに、
そんな脈絡のない言葉ばかり出る。
そうすると、パートさんはぼくが持っていたシフト表の名前を指す。
「え、この子ってさ、よく一緒にシフト入るんだけど、いまいちよく分からなくて。どんな人なの? あんま喋んない子?」
「いや、結構話しますよ。サークルでも友達多いほうだって言ってました」
その後輩とは、倉庫での作業なんかによく話していた。ぼくも無口かと思っていたけど話してみると、意外とよく喋り、ユーモアもあって、オープンなのだ。
「へー、そうなんだ。全然無口なのかと思ってた」
「しかもめっちゃ頭きれるんですよ。この前、エクセルの作業任せたら、求めていたもの以上の資料を出してくれました」
「へー!」
パートさんが驚きの連続、みたいな顔をする。
「意外と見てるね、佐藤くん」
ぼくが後輩について話すと、パートさんがシフト表を見ながらそんなことを言う。
意外と見てるんだ。
ぼくは驚きをもって自分を発見する。
「じゃあさ、この人はどうなの?」
この子は? じゃあこの子は?
パートさんが半ばビックリ箱を開けるように、シフトの一番上から名前を指差していき、
ぼくがその人がどんな性格で、どんな仕事をメインにやっていて、どんなことが得意か、
分かっていることをどんどん話していく。
「じゃあさ、この子にこんな仕事させるのはどうだろう?」
しばらく聞くと、パートさんがそんなことを言ってきた。
あー向いてると思います。
いや、それはこっちに任せたほうが。
ひとつひとつ、今度はぼくが人を見て、答えていく。
パートさんとの心地の良い掛け合いの中でモヤモヤしていたものが消えていく感覚。
そうか、まずは後輩のことを把握して、そこから何をどうやって任せるか、考えればいいのか。
そうやってミーティングは進んでいきました。
後輩観察日記を始めよう
「後輩の観察記録をきちんと書こう」
そのミーティングが終わってひとりになったとき、ぼくは思いました。
これまで、きちんと後輩に向き合っているつもりでいたものの、
後輩がどういう人間で、
今日はどんなことをして、
どんなことがうまくいかなかったのか、うまくいったのか
ということをきちんと目に見える形にはしてきませんでした。
「他人のことを記録する」なんてのは、常識の中になかったから。
書いたっていいじゃないか、他人のことを。きちんと。
いや、むしろ書くべきだろ。業務の報告を書くんだもん、後輩の観察日記も書くべきでしょ。
頭をよぎったのは、小学校のときの観察絵日記。
学活かなんかで育ててたミニトマトと、飼育係で育ててた金魚、
どっちもきちんと観察記録を書いて、いつも見返して、
今日は水やエサをどれくらいやろうか、そんなことを考えてワクワクしてたっけ。
そうだよなあ、小学校のときはきちんと他人や他者の記録をとってたもんなあ。
こうして、ぼくは後輩の観察記録を書くようになりました。
こちらが実際の「後輩観察日記」の一部
それからは、
出勤前にはその後輩観察記録を見直し、
「今日はどんなコミュニケーションを取ろうか、どんな仕事をしてもらおうか」
ということを考え
パートさんとのミーティングではそのノートを見ながら打ち合わせをしました。
そして、バイトが終わったら今日はどうだったかを書いて、次に生かしていく。
最初は見えないと思っていた後輩一人一人のリズムが見えて、そして何よりも求めすぎてイライラすることが減りました。
「あ、そうだこの子この前もこんな感じのことでトラブってたんだ。どうしてだろ?」
そうやって、モヤモヤしたまま考えて混乱するという、頭の中で糸をからませるような考え方から、
冷静になって、きちんとゆっくり、その後輩のからまった糸を見て、からまりを取っていく。
そういうことができるようになりました。
***
他人のことを、意外と自分は見ている。
けど、それをきちんと目の前に記録して考えてあげる。
そんなバイトのことを思い出して、家庭教師でも実践するのは、数年後の話。
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