こども園という特別な場所にある仙台のカフェ
朝起きると、風は強いものの、日差しはやわらかくて、
外に出てみたいな、という気持ちになった。
こども園にカフェがあるらしい。
というのは前から聞いていて。
知人がちょうどそこに今いる
というのをFacebookで見つけて、午後の道を歩き出した。
こども園にカフェ。
イメージがつかなかった。
どんなふうにやってるんだろう、と。
そう言えば、と道を歩きながら思っていたことは
最近は「寄り道」をしてなかった。
時間はあるはずなのに、なぜか体力を温存するほうに走ってしまって
休むために時間を使うような、そんな感覚になっていたな、と。
なんだかなりたくなかった大人に近づいているような
そんな罪悪感さえ踏みしめながら、カフェに着く。
Café1un 2deux 3trois,soleil!
(カフェ アン ドゥ トロワ ソレイユ!)
こども園ってなんなんだろう。
ざっくり幼稚園っぽいなとは思ってたけど。
そう思ってこの機会に調べてみる。
こども園とは
保育所と幼稚園の機能をあわせ持つ施設のこと。
保育と集団行動の仕方などの教育を同時に行うことがメリットの施設なんだそうだ。
穏やかなところだった。
木の温もりに午後の日差しが溶け込む。
入っただけで、なんとなくじぶんが優しい人間なんじゃないかと勘違いする。
ぼくと知人は最近興味を持っている「オランダ」について話し始める。
どうやったらぼくらは多様な価値観を受け入れる世の中をつくれるんだろうな、とか。
都会やら田舎やら、本当にちょうどいい暮らしってのはどんなだろう、とか。
もっぱらぼくら二人が会うと話すのは
「いろんな価値観がともに生きていける世の中」についてだ。
そうこうしているうちに
子どもが親と一緒に手をつなぎながら扉をあける。
ひと組み、またひと組みと、やってくる。
なんだか自然と軽くおじぎをしてしまう。
まるでずっと昔からこのカフェの一員だったかのように。
まるでずっと前からその親子を知っている近所のおじさんのように。
おだやかに、おだやかに、時間が過ぎてく。
後日、HPを見てカフェのことを調べてみた。
何年か前から、子ども達のいる風景が日常として当たり前にあり、そこに居合わせた誰かとも自然と解け合う場所、親子で気兼ねなく来れるところ。そんなお店を作りたいと思っていました。
ある日、いつもお世話になっている向山こども園の木村創副園長先生が「僕、学生の頃から園の中にカフェがある幼稚園を作りたいと思っていたんですよね。この園に作れないですかね?」と何気ない一言が。
これを読んで、ああ、とじんわりと思い返す。
思えばカフェなんていうのは、ぼくら分別をわきまえた「大人」がいる場所で。
おとなしくて他人に迷惑をかけない人間だけがそこでは受け入れられる。
知らず識らずのうちに受け入れていた。
「こども園」という場所にカフェをつくる。
そこではこどもたちにとってホームで
大人がむしろ「お邪魔します」という場所。
「誰もをやさしく受け入れる社会」
そんな社会をつくるっていうのはこういうことなのかもしれない。
と。
誰かにとってのホームの場所をつくって、
「おいしいお菓子もお茶もございます
どうぞ遊びにおいでください」
と外に開いていくこと。
Café1un 2deux 3trois,soleil!
(カフェ アン ドゥ トロワ ソレイユ!)
HP▼
cafe-undeuxtrois.wixsite.com
Facebookページ▼
Café1un 2deux 3trois,soleil! Facebook
これまでの仙台のカフェについての記事は
人生を、かっぽしよう