電車が止まって、あたりはイライラした空気が流れ出す。
今日は電車が止まって、直接の原因とそれにとまなう原因で、
たったひとつの駅を移動するのに40分ほどタイムロスしてしまった。
他の人もイライライしていたし、ぼくもそわそわしていた。
他の人の理由はわからなかったけれども、
ぼくは移動した後にカワイイ子との用事があったし、待たせているという感覚があったから。
電車に放送が流れる。
「申し訳ありません、現在電車が停止しております。
原因は、高さ制限のある踏切に制限以上のトラックが突っ込みまして云々……」
とか、こんな感じの理由だったと思います。
とにかく、一台のトラックが突っ込んだんだと。
たったひとつのトラック。
たった一台のトラックが突っ込むことで、ぼくらの生活はおそろしいほど崩れていく。
例えば、今日ぼくが移動した後にわずかな時間しか取れない女性に結婚の申し込みをしようとしていたら。
例えば、一緒に乗り合わせた人たちがこの後社運を握る大事な商談を抱えていたとしたら。
例えば、この後に子どもと一緒に大切な記念日を家族で祝おうとする人がいたら。
たったひとつのトラックで、ぼくらの大事な日々は
脆くも崩れさる可能性を秘めているのだなあと思ったりした。
今日はまだ良いのだけど、電車が止まると駅員さんに食って掛かる人を、よく見る。
それだけぼくらの生活は、
信じた誰かや何かの背中に体重を乗せて生活しているし、
それが当たり前に動くと思っている。
そして同時に、その大きなものは、
ツンと一点を突かれるだけでガラガラガシャンと大きな音を立てて崩れる。
信頼が信頼どんどん崩していって、大事になっていく。
ネットの検索エンジン
巨大なSNS
交通システム
エネルギーシステム
ぼくらは大きなものをどんどん効率化させて、便利にしていくと同時に
トラックのようなたったひとつの出来事に、その信頼のドミノを崩されることを実感を持って感じられていないんじゃないかと思う。
便利で、強力で、けど、脆い世界。
こういう世界で、
本当に「個人の自由」「自己責任」「人それぞれ」なんて言葉で落ち着いて良いのかと思うけれども、
動き出した電車の中で、安堵して、この後会う予定のカワイイ女の子のことばかり考えている、自分。
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