人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

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うつ病にぼくがなった話と、向き合い打ち克つ上で大事だったこと

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ぼくが早期のうつ病だと発見したのは2014年の春です。

今回はぼくというひとりの人間がうつ病になったこと、
そしてそれと付き合えるようになったこと、
をご覧いただくことで、
それがどんなものかということを少しでもご理解いただき、
今少しでも苦しんでいる人の助けになればと思い、筆をとりました。


※※※※
ぼくの症状はあくまで「かなり早期」のものですので、他の方に当てはまるとは限りません。
ここに書くぼくの治療法(医者に行かない)はかなり危険なものでもあるので医者に行って欲しいと思います。
医者に行っても処方された薬が効かない場合もあります。その際は第二第三の専門医の意見を聞くようにお願いします。
いずれにせよ、これは個人的な体験記であるので一般的なことと受け取らないようにお願いします。

おかゆもあります!
おかゆもあります! / yuzuki



ぼくが「早期のうつ病だ」と発見したのは2014年の春です。


ただ、それ以前に実はすでにその症状が出ていて、うつ病だと思っていなかっただけでした。


原因は、過度のプレッシャーや対人関係のストレスでした。
自分で選択したことでもあります。


大学院に入って、
自分で課外的活動も行い
フリーランスとして仕事をもらう。
全部を、頑張っていました。

良い研究がしたいので、かなりストイックにゼミをとりました。
課外活動では対話の場を作っていたので、毎週十数人の初めての人含む人たちと話し込んで、
平日はその運営ミーティングやらマネジメントやら資金の運用やら。
フリーランスでは主に個人事業主のブランディングやマーケティングをやっていました。


そういう中で
人間関係が目まぐるしく変わり、責任も大きな中で、
少しずつ、少しずつ、処理しきれないストレスをためていきました。


一切手につかなくなった

思い返せば様子が少しずつ変わり始めたのは、フリーランスの仕事が一切手につかなくなったことです。


そこから、ゼミの課題にも手がつかなくなり
ゼミの途中で課題ができないことから、突発的に大泣きして、尊敬する先生のゼミを途中で放棄するということにもなっていました。
大学院、やめようかなと思いました。


社会活動としていた対話の場に出ることやマネジメントを考えることが辛くてたまらなくなりました。



「甘えるな」、という気持ちで、何とか身体を前に前にと進めようとしてきました。


うつ病
なんて言葉はこれっぽっちも頭をよぎりませんでした。

そして、ひどくなる


ちょっと曇った日でした。
それは覚えています。

何かきっかけがあったわけではないと思います。


突然のこと。

お昼ご飯を食べている最中、急に、涙が出始めました。
何か悲しい出来事があったわけではないのですけど。
そして動悸。
その後に吐き気。


何か言葉で表すならば
「もういやだ」
「もう勘弁してくれ」
という気持ちで、泣き出していました。ひとりで。




そこからは、
立ったり座ったりを繰り返すし
動悸がいつもするし、
胃液が逆流してくる感じがするし
泣きそうになる。
何も手がつかないし、
何か行動しようとすると無条件でネガティブなイメージが出る。
ネガティブなイメージどころか「暗雲」です。
比喩的表現ではなく「暗雲」が頭の上に出る。


そして
動悸や吐き気の段階が長く続いたとき、やっとぼくは気づきます。
「なんかおかしい」
「気持ちの問題ではない」


病院には行きませんでした。
自分がうつ病だとは思いたくなかったのです。
だってうつ病になったなんて、人生の負け組だと思っていたから。
ひ弱。
メンヘラ。
根性なし。
そういうレッテルを貼られたくなかったんです。


こっそり、知り合いの専門家に頼んで、診断してもらいました。


「早期のうつ病だよ。通院しない?」
と言われました。


けど上に書いたように、病院なんて行ったら、みんなにバレるかもしれないし、
バレたらどんな扱いされるかもわからないし、
いろんなことを許されなくなってしまうと思っていました。


だから、怖くて
「病院には行かずに、治したいんです」
と言いました。


ぼくがあまりにも必死に頼んだので
その方には、ここが病院だったら許さなかったけど、という言葉と
「二週間後に必ず会って」という話付きで
「尊重するけど、少しでもマズイなと思ったら気にせずいらっしゃい。怖くないから」
と言ってもらい、ぼくのうつ病との付き合いが始まりました。



先日、このような動画を見たのですが

うつ病患者の見る世界を、黒い犬で表現した話題の動画「I Had a Black Dog」 | グッとくる動画集 gooddo動画より
ここでのうつ病と黒い犬の表現は、ぼくからすると、
とても的を得ているように感じます。


よくある勘違いとして「ネガティブに考えてしまうのがうつ病」というのがありますし、
ぼくもそう思っていたのですが、
なってみると、そんな論理を飛び越えて、
ただただ「重たさ」だけがある。
何か頑張ろうとすると動悸が始まる。
そんな感じでした。


こういううつ病に対して、
ぼくなりに効果のあった取り組みを書いていきたいと思います。


できる限り予定をキャンセルする

Paper Plane
Paper Plane / garryknight


まず、自分が作っていた任意団体のメンバーに打ち明け、
自分の持つ役割をキャンセルしました。


それから、自分の仕事を全部キャンセルしました。

好きな人にも打ち明けました。


家族にはカミングアウトしていません。
なんだか、家族は一番大事だから言いづらかったのです。


一切の予定をできる限りキャンセルしました。


しばらくは、責任感から完全に逃れました。
何かを課される生活を完全に絶って
一時自分には何のストレスもかからないようにしました。


うつと向き合うけど、うつのせいにはしなかった

くまのがっこう ジャッキーカフェ #jackie
くまのがっこう ジャッキーカフェ #jackie / Norio.NAKAYAMA


確かにうつ病によってぼくは苦しみました。
けど、全てを「うつ病だから」と言ってうつ病のせいにはしないことにしました。


それはうつ病に負けることになると考えたんです。ぼくは。
何でもかんでもできない、やらない自分をうつ病のせいにするから。
最初はそう考えてしまっていて、ふさぎ込んでた自分がいました。


たしかに自分はうつ病
それで苦しんでもいる。
けど、それは何でもかんでも白旗を上げることじゃない。
向き合って、何ができるか、何ができないか、しっかり考えればいいだけのこと。


そう思わないと、気持ちの部分で潰されると思ったわけです。

自分は「かわいそう」じゃない


味噌汁
味噌汁 / is_kyoto_jp

「こんなにしたのに、返ってこない(自分かわいそう)」
「こんなに頑張っているのに報われない(自分かわいそう)」


対人関係で悩んでいたぼくは、自然とこういう感覚が強かったのです。


期待したことが返ってこないと
ショックというよりも
自分がかわいそう。
そんなかわいそうな自分を作り出すことで、どんどん落ち込んでいく。


だから

「やりたくて、やってんだ」

そう思うように、と言われました。


この考え方はぼくの対人関係のあり方を大きく変えました。
「やりたくてやってる」
「別に返さなくてもいい」
それは気持ちを大きく軽くしたのです。


自分のせいじゃないこともある


RIMG1562
RIMG1562 / vaboo.com


「ま、しょうがないね」
も大事な言葉でした。



自分は成長志向が強いせいか、
うまくいかないことは自分の力不足と思い込む癖があります。
それ自体は悪いだけのことではないし、うまくいっているとものすごく
エネルギーを生むことでもあります。

ただ、一度転ぶと、あとは転落していきます。
「悪いのは自分のせい」
「申し訳ない」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
だんだんと「ごめんなさい」が多くなります。
そして「ごめんなさい」で潰され始めます。


なので、自分がなんとかできる範囲を100だとしたら、
そのうち30くらいを「自分でなんとかしよう」と思い、
残りの70を「今は何ともならないよね」と思ったり
「まあ、自分のせいじゃない時もあるさ」「しょうがない時もあるさ」
と身軽にするように意識しました。




対人関係も断ちました。
連絡しませんし、もらっても返しません。
返したくなったら、返させてもらう。
連絡を返そうという気持ちも、責任感だったからです。


うつ病は克(か)てる

PhoTones Works #1084
PhoTones Works #1084 / PhoTones_TAKUMA

こういう考え方の転換で、ぼくは少しずつ、少しずつ、うつ病と向き合い、付き合い方を覚えてきました。


そして、今はほとんど意識しないほどになりました。
うつ病に克ったのです。



うつ病は、何度も何度も風邪のぶり返しのような感覚で戻ります。
腹の隅っこのほうから、モワッとガスが立ち込めるような感覚で広がるのを感じ、怖くなります。


そもそも、自分の性格から起きることなので、風邪薬でぽいっと治るようなものでもないそうです。


けど、「あ、ヤバイな」と思ったら
ちょっとずつ深呼吸をしたり、
「オッケーオッケー」と言ってみたり
「自分はかわいそうじゃない」と言ってみて、自分のバランスを保ちます。


また、それまで毎週のように人に会っていたのをやめて、
自分の許容できるくらいに人と会うようにしています。


そして小まめに休みを取ります。
特段用事がない限りは、土日のどちらかはゆっくりした時間を取るようにしています。



うつ病と向き合う中で気づいたこと


rice porridge / おかゆ
rice porridge / おかゆ / Kanko*


うつ病になって良かったなんてことはあまりありません。


人との関係でのストレスはまだ心配ですし、
これからしっかり働いていく上でどうなるのかという不安もあります。
好きな人はできますが、付き合おうとは思えません。手放したとき怖いからです。


それでも、うつ病と向き合う中で良かったことは、
「それまで出会ってきた人との関係をゆっくり大切にすること」です。


それまで、自分は
「早く新しいステージ」
「早く新しいステージ」
と急ぐように毎日新しい人の会って、新しい課題を自分に課していました。


今でもそれは変わっていませんが、そのバランスを考えるようになり、
いつも自分の周りにいる家族や、友人と過ごす時間の大切さを知ることが出来ました。



うつ病かもな
と気付いたとき
まさかという気持ちが強かったです。
だから、そこかしこにうつ病があると思います。けど、ぼくはうつ病に克てました。
この文章があなたの救いにちょっとでもなりますように。


人生を、かっぽしよう
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