すごいメモ。面白かった。
ここ最近出た本の中で、ヒットしたのが『すごいメモ』
そもそも「メモ術」とか「ノート本」ってたくさん読んでると、中心にある考え方がどれも似通っていて「これ似た内容読んだなぁ」って思っちゃいがちなんだけど、これは面白かった。
何が面白いって、特に仙台を代表する作家である伊坂幸太郎さんのノート術が載ってるところ。
伊坂幸太郎さんってこれ。この作者さん。
ぼく、伊坂さん好きすぎて仙台の某音楽ショップで普通に物色中の伊坂さんを見つけて、数分尾行した挙句に、持っていたノート広げて「明日誕生日なんで『おめでとう』って書いてください」とお願いしたぶしつけ野郎ですはい。
そんな伊坂さんのノートが見れるとなったらもう…もう…
どうもこういうノート術系の本ってビジネスマンや教授の体験ばかりが載ってる傾向にあるので、作家さんがアイディアを生んでいるリアルのノートって、見ていてとても発見がある。
ジャンプの作家さんがキャラの設定とか描いてるノートを公開してるときとかあって、あれ、好きなんだなぁ。
『すごいメモ』の伊坂幸太郎さんのノート術で、ぼくなりに読んでいて、大切さを再確認したり、初めて気づいたことを、ちょっと3つほど書いておく。
伊坂幸太郎に学ぶノート術
1つ目のコツは、
メモをしてから散歩する
伊坂さんはアイディアを求めて散歩するそうで、歩いているとアイディアがひらめくんだとか。
けれど、散歩とアイディアの関係について教授に聞いても「あんま関係ない」。
けど、もしかしたらメモしてから散歩をするという順番は大切かもしれない、とも言われたそうで。
一度モヤモヤがノートに書かれて整理されると、歩いている間にそれらが頭の中でつながっていくんだとか。
たしかに、ブログ書いてるときもそうで、「書けねぇなぁ」とモヤモヤしたまんま歩いても、結局書けずじまいで、「とりあえず書いてみっか」と書いてから他の場所に出かけていたりすると、ふわりふわりと言葉が浮かんできて、「あ、書けそう」ってとき、あるある。
2つ目のコツは
絵を使って書く
伊坂さんはPCでアイディアのノートをとることはしないそう。
って言うのも、PCだと絵が描きづらくなるから。
例えば、小説の中でエレベーターのトリックを考えるときなんかは、実際にエレベーターの絵を描いて情報を書き込みながら考えたほうが、「ここでこうなって…」とトリックなどを考えやすいらしい。
ここ、本の中だと実際のノートの画像が載ってるのでファンからすると鼻血モノ。
ぼくのブログは「誰がどう言った」とかセリフまわし的に書くことが多いから、
「あのときこんな感じで座ってて…」
「こっち側にこの人がいて…」
なんてふうに、けっこう人の絵とか、イスとか、下手くそでも書きながら考えると、実際の場面が想像しやすいなぁって思う。
キャンパスノート、80枚つづりは大事な相棒。
3つめのコツは、
偶然の言葉で遊んでみる。
伊坂さんはまずタイトルから決める小説もあるそうで、
それは
「こういう物語を書くからこのタイトルで行こう」
と決めるのではなくて、
「何となくこの言葉いいな、この言葉どういうことかな。こういう物語になりそう」と発想を好きに伸ばしていく。
『重力ピエロ』
『陽気なギャング』
の作品は、タイトルがまず言葉として浮かんできたそう。
あ、これキャッチーだな。
あ、これ本屋に並んでたら手にとってもらえるな。
って感じで。
たしかに、『重力ピエロ』なんてどうやったら出てくるんだよっていう。
これは何も小説家だけが使えるアイディア術だけじゃなくて。
突拍子もない言葉同士を結びつけて、それって何だろう?みたいな。
「RADWIMPS」と「桃太郎」みたいなのってこういう発想の最たるもんだと思う。
「もしも〇〇が◻︎◻︎だったら?」
みたいな突飛な発想でもいいし。
理由なんかなくても、とりあえずビビッときた言葉から思いついたことをメモを取ることでつなげていって、アイディアをつくってみる。
こうすると、凝り固まったじぶんをぶち壊せるのかな。
いつもは出てこない、誰も出したことないアイディアにつながるのだろうから。
なるほど勉強になる。
ここらへんがこの本を読んで面白いと思った伊坂さんの発想術。
その他本書全体も。著者である小西さん(「伊右衛門」CMなどに関わる)の広告マンとしてのノート術も「記号を使う」とかの部分は参考になった。
やっぱり面白いこと考えてる人って、「発想法のこだわり」みたいなものがあるんだなぁ。
こういうの読むとまじまじ思う。
またノートにアイディア書きなぐるのが楽しくなりそう。
人生をかっぽしよう
こちらもどうぞ