広くなった部屋を見ながら、ぼくら3人が宅飲みをしていたときのこと。
「広くなったねー」
と言ったのは彼女自身。
ついこの前まで元カレが半同棲生活をしていた。
「これで宅飲み自由にできるよね」
とか女友だちのひとりがふざけて言う。
たしかに、とか本気なのかなんなのかわからずに彼女が返す。
「最初はさーいやだよねえー。
部屋見れば想像するでしょ。
キッチン見れば一緒に料理作ったこと思い出すし
ベッド見れば一緒に寝たこと思い出すしさ」
「もーソッコーで忘れてやる」
とか言う。
「それね、いま使ってんのね、元カレの箸ね」
おいおまえなに使わせてんだよー捨てろよーとか言いながらふざける。
酔った勢いで忘れてしまえーとなかば投げやりになるように飲む。
こびりついた彼氏の記憶を忘れ去るように、彼女も飲む。
で、深夜帯に入ったときだったと思うのだけど
酔いも覚めたのかちょっとだけ彼女の顔が我に返って落ち込んだように見えたので
「やっぱ落ち込んでんの?」
とだけ聞いてみた。
そうすると、やっぱりテンション低くなって
「やっぱねーむりだよねー忘れられん……」
とかちょっとだけ酔った勢いで未練をたらす。
そのとき、女友達が、彼女を励ます感じで言った一言がすごく印象に残っている。
「そんなのね、3週間もすれば忘れるよ。
すぐに慣れるから
3週間、3週間、がまん」
3週間。3週間のガマン。
そうすれば新しい生活とそこにいるじぶんにも慣れる。
3週間で人は新しいじぶんの姿に慣れる
「大地さん、3週間すると人は習慣になるらしいですよ」
なんてことを後輩に聞いたことがある。
正確には「習慣になることに3週間必要」ということではないらしい。
「新しい見た目に慣れることに3週間かかる」ということだそうだ。
これは、形成外科医だったマックスウェル・モルツが書いた本が流行らせたこと。
『自分を動かす』

- 作者: マクスウェルマルツ,小圷弘
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その内容は次のようなこと。
整形をしてどんなにキレイになっても、患者は最初、その顔に違和感を感じる。
その違和感がなくなるのに3週間かかる。
つまり、新しい自分自身のイメージに慣れるのは3週間かかる。
この「最初は違和感を感じ3週間で慣れること」の例のひとつに
「新居に慣れる」
ということも入っているのです。
『「21日で習慣が身につく」は必ずしも真実ではない:研究結果 | ライフハッカー[日本版]』より
このブログの「お悩み×お悩み相談室」にも
「忘れられない」「忘れたい」という声がたくさん来ています。
新しい場所にいる自分に慣れるには3週間必要。
彼氏のいなくなった部屋にいるじぶんも、3週間あれば、慣れるのだろうか。
真相は定かじゃないけど、希望的観測は持ちたいな、と。
***
「さみしかったらまた飲みに来るしね」
女友達が彼女を精一杯はげました姿が、なんとなくいいなあと思った。
まあ彼女すぐにいい人ができたっぽいから、3週間も必要なかったんだけど。
人生を、かっぽしよう
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