テレビ要らないって言ってたけど50万円のテレビ買った
最近は、毎日海の中を観て、寝ている。
2019年に買ったもので一番良かったなぁと思うのは、テレビだった。
2019年のBRAVIAの4Kモデルで、ぼくとしてはけっこうお高い買い物だった。
50万円以上した…
厳密には「テレビ」を買いたかったわけではない。
「テレビは一生いらない」と言ってきたくらいだ。
単純にテレビを買うんだったらそんなに高いお金を注ぎ込まなかった。
ぼくが欲しかったのは、「大きくて綺麗なもの」だった。
ここ数年くらい、大きくて綺麗なテレビに対する憧れがあった。
電気屋に行くと、目玉商品として大きなテレビがあり、いつもそこで立ち尽くすようになっていた。
いいなぁ。こんなんだったらずっと見ていたいなぁ。
それが置いてある部屋とそこで過ごしたらどんなにいい時間かと思いやる。
部屋というのはぼくにとってはあまり落ち着く場所ではない。
ひとつのところに落ち着けないでカフェだのなんだのうろちょろするぼくは、「部屋でゆっくり」という感覚になれなかった。
帰って寝るための場所だから、なんだかそわそわしてしまう。
ただ、そういうソワソワした感覚を落ち着かせたいと心のどこかでも思っていて、いつか何にも考えず時間を気にせずぜいたくにゆっくりしたいなぁと思っていた。
その憧れがかたちになったのが、「大きくて綺麗なテレビ」だった。
もしも大きくて綺麗なものが部屋にあれば、いろんな雑事を横に置いといて、ただ目の前のそれに没入できる。
そう思えた。
年明けくらいから何度もテレビ売り場に行き、部屋にあるイメージをして、帰って、部屋でもイメージして、夢に出てきて、仕事中もそればっかり考えて、決めた。
買って本当に良かった。
ぼくの部屋の大きさじゃ画面酔いするほどの大きさは、他のことが視界に入ることを許さない。
何か情報を取り込んでいるというより、なんか別の世界を目の前に置いているような感覚。
最近は寝る前に部屋を真っ暗にして、スリープタイマーをかけて、Amazonプライムの自然の映像を流す。
気持ちをそんなにゆったりさせて寝るということがなかったので、生まれて初めて「寝る前のリラックス」なる時間を獲得した。
人生でいらないものリストの中に、車とテレビがあるのだが、そのどちらも買ってしまった。
昔は考えもしなかった価値観が、考えもしなかったモノと結びつく。
年をとるほどに、自分の価値観がはっきり浮き出てきて、楽しい。
人生を、かっぽしよう