落書き帳が生みだすもの
この前、本棚の奥から昔使っていた落書き帳が出てきました。
開いてみると色んな絵が書いてありました。
見たことのあるキャラクターを模写したものや
見たことのない自分で考えた建物、人物、生き物など様々でした。
そこには自分で創り上げた世界が、白いページに所狭しと描かれていたのでした。
落書き帳をいつからか使わなくなりました。
僕は他の人よりも絵を描くのが好きだったから
人よりも落書き帳を使っていた記憶はあるけど
確実に今は使わなくなっていたのでした。
いつからだろう?
落書き帳を使わなくなったのは?
そう考えると、中学校3年生くらいにはもう使わなくなっていました。
どうしてだろう?
どうして使わなくなったんだろう?
休み時間にやることが増えたからだな。と思いました。
段々と休み時間に復習や宿題をするようになったり
分からない問題を訊きにいったり
少しずつ
少しずつ
休み時間に真っ白な紙に落書きするなんてことはなくなって行きました。
浪人生の頃に、何がきっかけか分からないけれど
問題を解くために準備したルーズリーフに無性に絵が描きたくなりました。
単にシャープペンシルで直線や曲線を描いただけなのに
芯が紙とこすれて、気の赴くままにスッと線を描いて行く感覚がとても心地よかったんです。
大学入学が決まって真っ先に買いに行ったのは
Gペン(漫画家が絵を描くために使う一般的なペン)(笑)
それだけ描きたかった。
段々と
僕らは真っ白な紙に「答え」しか描かなくなっていくんじゃないでしょうか。
誰も踏み行ったことのないあの真っ白な世界に
自分の世界を少しずつ刻んで創り上げてゆく。
そういう感覚を無くしていくことは
想像力と創造力を奪ってゆくことになりはしないだろうか。
久しぶりに見た落書き帳を見て
そんな切なさを感じました。