何してんだよ、まったく
交差点を見下ろすのが好きなのです。
そこかしこに自分が見えるから。
交差点を見下ろしに行くためだけに
わざわざカフェに行くこともあって。
ビルの高いところからまち全体を見下ろすのも好き。
AERの展望台から見下ろすまちなみをよく見に行く。
見下ろすと色んなところに色んな自分がいるようで
あ、あそこに、馬鹿みたいにはしゃぐ自分。
あ、ちっちゃいことで喧嘩している自分。
うつむきながら歩いている自分。
見下ろすと
何の気なしにそんな自分が小さく見えるのだけど
きっとそのときはそのときで必死で
見境無いくらい目の前に夢中で
目の前のことが全てだと思ってるんだろうなあと、
微笑ましくなれるような、なれないような気持ちで見る。
細い通りに入ったり
目の前に何本も道があったりして
きっと迷うけど
ほら、ちょっと歩けばあとはまっすぐ大通り
心配するな、しゃんとして歩け。
道がそれそうになったら
こうやってもうひとりのぼくが
ぼくに声をかけられたらいいなあと思うけど
きっと頑固なぼくは耳なんか貸さないよなあとも思うのです。
この先ずっと見通しの良い大通り。
そんな気持ちで歩いているぼく。
けど、ちょっと歩けばまた目の前に道が何本も現れて、
顔を真っ青にして途方にくれるんだろうなあとか思うと
情けなくて笑えてきてしまいました。
とりあえず横にいるカップルがちくちく喧嘩していたから
そんくらいの喧嘩の仲裁はできるのかなあとか思いましたとさ。